「二階から転落」という状況で命を落とすという事実

昨日(2日)のニュース「2日朝、神奈川県相模原市で、自宅に忘れ物を取りに戻った女子高校生が、玄関が閉まっ ていたため、2階によじ登ろうとしてバランスを崩して転落し、死亡しました。」

大変に痛ましい.

同じ子を持つ親として,その悲しさは想像を絶するものだろう.ご冥福をお祈りするしかない.



そして,体育に関わるイチ教員として,考えなければならないことがある.

「二階から転落」という状況で命を落とすという事実だ.

ニュースからの情報しかないため,詳細は不明だが,どうやら雨どいを伝って,二階によじ登ろうをしていた所,雨どいが壊れて転落したようだ.頭部を強打したのだろうか.



MNBは子供のころから,よく二階のベランダから飛び降りて遊んでいた.

全く推奨されることではない.大変危険な行為である.

しかし,そのせいで二階から落ちた際の衝撃や,怪我をしない落ち方を学んだのも事実だ.

最近では見ることが減った遊具でも,よく上から飛び降りていたものだ.

その過程で,両足で同時に着地してはいけないことを学んだ.

両足同時に着地すると,膝や股関節の筋力が衝撃に負けてつぶれた際,自分のアゴや顔面を膝で強打することになる.

これでよく鼻血を出したり,ハグキを切ったりしたものだ.



飛び降りるコツは,片脚ずつ着地し,あまり踏ん張らずに衝撃を膝で吸収するということ.

着地する場所にもよるが,足の接地後に転がり(シチュエーション的に前回りが多い),腰や背中で衝撃を吸収する技術,いわば力積を稼ぐ技術を発揮できると,なお安全だ.

こんなスタントマン的な着地をせよとはいわないが,なぜ,こうした着地をするべきか,そのメカニズムについて,少なくとも身体で理解していたように思う.



高い所から飛び降りるのは危険きわまりない.

絶対に推奨されるべきではない.

しかし,飛び降りざるを得ない状況,もしくは今回の事故のように「転落・落下」してしまったときにどうやって身体を守るか,どうやって命を守るかを学ぶかは,もっと重要だ.

運動,スポーツの楽しさを教えることに加え,こうした身を守る技術を教えるのも「体育」の果たす役割の一つであると感じた.