筋力トレーニングに過剰な期待を抱いている人がいる

レーニングに関する記事と文章を執筆中で,さらにゼミ生らや大学院生とトレーニングについてケンケンガクガクしてて感じたこと.



それは「筋力トレーニングに過剰な期待を抱いている人がいる」ということ.



スクワットをすれば筋力つくし,ダイエットにもなるし,体幹も強くなるし,足も速くなるし,遠くに跳べるようになるし,遠くに投げられるようになるし,,,,etc.


で,「そうだ! だったらもっと競技動作に近づければ,トレーニングの効果が競技力向上に直結するジャン!」となって,不思議ちゃんトレーニングを開始.

たとえば「野球のピッチングは片脚立ちから踏み込んで投げるから,片脚から踏み込む動作にゴムチューブや重りで負荷をかければいいね」とか.

たとえば「ゴルフのスイングスピードを高めたいから,重いクラブを振ることでスイングに使う筋力をアップさせよう」とか.

たとえば「ただの腕立て伏せよりも,メディシンボールを手の下に置いた状態で腕立てしたほうが不安定になるから,たくさんの筋に負荷をかけられるジャン」とか.



こうしたトレーニングを全否定するわけではありません.あくまで「筋力アップを目標とするならば,もっと効率の良い方法がありますよ」ということです.
そもそも,筋力トレーニングの動作は,実際の競技動作からかけ離れているからこそ意味があると思います.ターゲットとした筋に負荷をかけることに特化していることが重要なので.それを,わざわざ競技動作に近づけて実施してしまうのは,,,ね.

もちろん「重いクラブ」を振ることで生じる「感覚的な何か」をスキル向上につなげた結果,競技パフォーマンスが向上するという例もあります.ただし,この場合はあくまで「スキルトレーニングとして重いクラブを振る」と捉えるべきです.




「スクワットが強くなったのに足が速くならないんです」という言葉も,スクワットに対して期待しすぎていることが原因ではないかと.

足が速くなるためには,様々な「材料」が必要で,脚の伸展パワーというのは,あくまで材料のひとつに過ぎない.たまたま,その材料が足が速くならないことの限定要因だった場合,スクワットをすれば足が速くなるかもしれませんが,それは人それぞれ.


自身の競技パフォーマンス向上に必要な材料は何かを見極め,その材料を最も効率良く強化できる方法を見極め,そしてそろった材料を上手く調理するスキルを向上させることが必要.たかだかスクワットをしただけで足は速くならんてw


一つのトレーニングに過度な期待を抱くのはやめましょう.