ロードバイク つらさと負荷とダメージと
先日,以前から興味があったロードバイクを衝動買いした.
もちろんビンディングシューズ&ペダルにヘルメットも.
いやね,陸上競技を専門としながら,ジョギングが苦手なんですよ.
というか,ゆっくりと走るのが苦手.
一人でジョギングを始めると,勝手にスピードが上がり,結果ダッシュのような形になり,短時間でオールアウト.あとは歩く....ということにいつもなってしまうので,運動時間が稼げない.ダイエットが出来ない...orz
そこで自転車に着目した.単純に速度が違うから.
やっぱり速さって魅力だ.自分が発揮できる速度以上に身体を運んでくれる.
新しい競技に取り組むという新鮮さが気持ちいい.
そして,せっかくやってみるのだから,チョイ乗りでは意味がないと考え,大学から自宅までの約40kmを走ってみた.
時間にして1時間40分ほど.
いくら初めてでも,それくらいの時間,連続して漕いでいるといろいろなことが解る.
一番衝撃的だったのは,ランナーズハイのような状態.
最初はペダルを漕ぐこと,姿勢をとることすら辛くて「車で迎えに来てもらおうか」と真剣に悩んだほど.
案の定,尻も痛いし,肘も痛い.寒いわ,苦しいわで,てんやわんや.
でも,これまでスポーツをしてきた経験上,その苦しみがずっと続かないことも知っている.
だから耐えてみた.とりあえず1時間耐えようと.
そして,その瞬間がやってきた(笑
平地をこぎ始めて40分ほど経ったくらいか.
突然,自分のなかでポジションと漕ぎ方が解った.注意:素人なりにです.
混成競技や,その後の指導で培ってきた身体感覚が急激に目を覚ました感じ.
どのスポーツも同じ.いかに体幹を使うか,骨盤を,肩甲骨を,股関節を使うか.
解ったとたん,突然ペダルが回転を増し,わけもなくスピードが上がる.
これは楽しい!!
そして,楽しさの次に来るもの.それが痙攣.
段々右足がつりそうになる.それを上手くごまかしていると,左肘が痙攣.
次に左のハムにきた.
ここで気づいたこと.自転車は座って漕ぐものだから,上手く漕げば,休みながら進むことができる.
上手くごまかしていくうちに,なんと全ての痙攣が治まり,また全力で漕げるようになった.
これはランニングにはない感覚.
さらにいえば,空気抵抗や路面状況が与える影響の大きさ.
そうしたものと戦いながら,前に進む楽しさがある.
乗れる時間は少ないだろうけど,非常に満足している.
これからの上達が楽しみである.
さて,翌日.身体へのダメージを心配していたが,想像どおり「大したことがない」
これは現役時代,パワーマックスと呼ばれる全力での自転車ペダリング運動で経験済み.
自転車は(基本的に)衝撃がなく,エキセントリックな筋収縮を行う局面が少ない.
そのため,筋腱複合体に微細損傷が生じにくく,いわゆる遅発性筋肉痛も生じにくい.
陸上競技のように,反動動作とエキセントリック収縮の塊みたいな競技と比較すると,運動している時の苦しさと,翌日に持ち越されるダメージの大きさの関係は全く異なる.
よく「山登りは下りのほうがツライ」というのは,正確には「山登りそのものは登りのほうがツライが,翌日のダメージは下りのほうが大きい」である.
ツールドフランスのような狂気の沙汰とも思えるレースを人間が克服できるのも,こうした理由が少なからずあるだろう.
やっている最中は地獄のようなつらさ.脚はちぎれそうになるし,肺も爆発しそうになる.脳が限界を迎え,意識を失う.
同じようなことをランニングで行ってしまうと,おそらく翌日は膝と股関節がいうことをきかない.
これも自転車の魅力だろうな.
でも,とりあえず尻パッドだけは買っておこう.