2015年度 卒業生へ贈る言葉

2015年度 卒業生へ贈る言葉


本当に4年間は早いものですね.監督である私からすれば,毎年この時期は「時間なんか過ぎなかったらいいのに」という思いと,「新たな門出をようやく迎えることができたか」という両極端な思いで満たされます.


さて,君たちは過去の卒業生と比較しても大変に多くの経験,思いを積み上げてきたと思います.
110mHにおいて日本史上初の世界大会でのメダルを獲得した増野元太.インカレワンツーを達成した札場大輝主将.トップの競技成績だけをみれば,間違いなく国際武道大学陸上競技部史上最強です.
その一方,輝かしい成績を残す仲間がいるからこそ,いろいろな悔しさや,やりきれない思いもあったことでしょう.後悔もあるでしょうし,多くの諦めも経験してきたことでしょう.時には自分の力ではどうしようもない不運に見舞われた者もいることを私は知っています.「若い頃の苦労は買ってでもしろ」という言葉がありますが,当事者からすれば「簡単に言ってくれるよな.こちらの気持ちも知らないで」という思いでしょうか.


けれども,今の気持ちはどうでしょう? 様々な喜び,苦労,そしてそれを共に分かち合ったかけがえのない仲間.その仲間達と,こうして卒業の場を迎えることができたことの喜びと,未来へ向けた希望であふれていることと思います.君たちが陸上競技を通して,本学で学んだこと,身につけた武器の価値は無限大です.そして,これからそれを活かす時がやってきました.知識や経験は他者の役に立ってこそ意味があります.価値があります.明日より大海原へと航海を始める君たちには,国際武道大学陸上競技部で培った魂があります.そして勝浦という帰ることができる港もあります.恐れず,ひるまず,向かい風に立ち向かい,さらに大きく成長してくれることを願っています.


最後に,私から送る言葉があります.

「義務は努力に勝てない.努力は好きに勝てない.好きは夢中に勝てない.」


今日,この日から夢中になれる人生を目指しなさい.怠惰を敵視し,自立のための自律を旨とし,毎日最大最高につとめなさい.人間は慣れの生き物.だからこそ心構えは毎朝ゼロから磨きなおさねばなりません.
心構えを磨く最良の方法は早起きです.苦しい時,君たちの求める答えは夜にはありません.早寝早起きを旨とし,神仏と先祖に感謝し,日々の戦いに勝利し,燃えるような熱意の行動へと自らを駆り立ててください.誰のものでもありません.君の人生です.自分の思うように生き,そして誰からも応援されるような素晴らしい人生を歩んでください.
国際武道大学陸上競技部で過ごした4年間は,そのための土台となるはずです.いつまでも武大魂を忘れずに頑張ってください.応援しています.
卒業おめでとう!



国際武道大学陸上競技部監督
眞鍋芳明