野口選手お疲れ様です
陸上競技と一言でまとめても,実に多彩な種目にあふれている.
陸上競技界における一般的なカテゴライズとしては,,,
短距離(100m〜400m.なかでも400mは短長などという表現で別扱いが多い)
中距離(800m,1500m)
長距離(中距離よりも距離が長い種目全て)
競歩(組織的には長距離に含まれることもあるが,種目としては完全に別物)
障害(スプリントハードルと,400mH,さらに3000mSCと全ての特性が大きく異なる)
跳躍(水平方向と垂直方向に分かれる.棒高跳びだけ別扱いの時も)
投擲(サークル系3種目とやり投げに分類)
混成(男子は十種,女子は七種)
となるように思う.
こうした中でも,特に異質というか,他とは完全に異なる能力が求められるのが長距離系の種目である.
もちろんマラソンもこちらに含まれる.
何をもって異質か.議論は果てないだろうが,そう述べる理由の一つに能力の汎用性があげられる.
優れた短距離選手が,優れた跳躍パフォーマンスを発揮することは珍しくない.
スプリントハードル(110mH,100mH)で好成績を残すには,同様に高いスプリント力が要求される.
円盤投げが得意な選手は砲丸もハンマーも投げられることは珍しいことではなく,さらに極めて短い距離のダッシュならば,短距離選手よりも速いことも珍しくない.
しかし,こうした長距離種目以外の選手達が,長距離走でも優れた成績を残すという話は皆無に等しい.
同時に,長距離種目ほど,長い年月をかけて苦しみと節制を求められる種目はない.
もちろん,投擲種目のように技術習得に向けて長い年月がかかるものもあるが,その中身に含まれる肉体的な苦しさは,やはり他種目とは内容が異なる.
だれもがいやがるような長い苦しみに耐え続ける.その能力を磨き続ける.
努力,忍耐,根性という言葉がある日本において,マラソンや駅伝が大きな人気を集めるのは,例えスポーツをしたことが無い人でも,その苦しさを想像するのが容易であり,さらにその苦しさを乗り越えてこそ到達できる場所があるという美学に対する憧れのようなものがあるからではないか.
そこには,いわゆる解りやすい凄さがある.
名古屋ウィメンズマラソンで,野口選手が3年振りにマラソンを完走.万感の涙を流した.
かつて世界一にまで到達した選手.どれほどの苦労と,困難と,節制と,練習を繰り返してきたかと考えると本当に頭が下がる思いである.
去就については名言しなかったが,まずは本当にお疲れ様と伝えたい.