意志決定のプロセスが先,情報が後

今日は意志決定について.

私達は,常日頃から自分で何かを決定して進めているが,その決定までのプロセスに気を配ることが少ないように感じる.



先日,とある試合で宿泊する施設を検索していたときに気づいたのが,「とりあえず先に情報を集めてしまうと決められない」ということだった.

宿泊できるホテルはたくさんある.もちろん条件もたくさん.



そうしたホテルを調べるまえに,というよりも調べ方からして何を優先して調べるかを決めておかなければ,迷って迷って決まらないことが多い.

試合などでホテルを選ぶ際,決定する際に必要な情報としては,おそらく以下のようなものが挙げられるだろう.


・そもそも空きがあるか
・金額(単純な金額だけでない.相対的な要素も含まれる)
・場所(競技場から近いかどうか,物理的に遠くてもアクセスが良い場合もある)
喫煙室か禁煙室か
・大勢で宿泊する場合はロビーが使えるかどうか
・周辺の食事状況はどうか


で,我々はこうした要因に対する予備知識がたくさんあるため,何を最優先させるかを「あらかじめ」決めておかないと,調べていく上で生じる「あ,これはアッチのほうがいいかも」という心に大きく影響を受けることになる.



そこで今回はMNBが頻繁に利用しているビジネスホテルチェーンに絞り(この時点で金額やサービスが全て決定される),あとは競技場へのアクセス時間で検索した.

結果,試合会場までは電車とタクシーで30分ほどかかるものの,短時間で無事に決定することができた.



つまり「意志決定のプロセス」を先に定めておいたからこそ,星の数ほどあるホテルに迷わされることなく決定できたのだ.



ここで大切なのは,その決定したホテルが「総合的にみて最高」である必要は無いということ.

逆にいえば「実はもっと良いホテルがあった」という誘惑,現実に惑わされてはいけないということ.その誘惑に惑わされては,いつまで経っても決めることができない上,場合によっては思考はそこで停まってしまうことがあるからだ.

そもそも重要なのは「選手が試合で最高の結果を出すこと」が重要なのであり,そのためにホテルを探していたということ.つまり,ホテルの良し悪しそのものは,選手に対して大した影響は与えないわけであり,そこに監督として,コーチとしての能力を注力しても,あまり意味がないということ(もちろん合宿などのように長期滞在する場合は逆).

こうしたことが解っていないと「やっぱりアッチが良かったかも」と,隣の芝は青く見える現象に陥り,やがて「決定すること」そのものが怖くなり,自信がなくなってしまう.

意志決定プロセスがしっかりしていれば,マイナスを補うほどのプラスを得ることができるはずであり,それは決定力の向上に繋がる....と思った次第.