残された時間は少ない
残された時間は少ない.
例えばユニバーシアードに出たい! という目標がある.
その選考基準をみればわかるけど,基本的にはグランプリシリーズまでに結果を出さねばならない.
関東インカレでの選手の追加は厳しく,あったとしても入れ替え程度.
ということはだ.グランプリシリーズが始まる4月にはアクセル全開になっておく必要があるということ.すでに標準記録を切っていたとしても,ライバルに出し抜かれたという例は枚挙にいとまが無い.
で,逆算してみる.
4月にアクセル全開.自己記録更新を目指すならば,当然3月には試合に出場できる,出場してまずまずの結果を残す必要がある.ということは2月下旬にはすでに試合を想定した練習をしておきたい.
本格的な強化,トライ&エラーを繰り返すことができるのは極寒の2月中旬まで.
そして今はもう1月.つまりあと1ヶ月しか本格的な冬期練習は積めないということだ.
こうやって具体的かつ現実的に考えることで導きだされるのが「残された時間は少ない」という言葉.
我々コーチングスタッフは毎年,こうしたスケジュール,カレンダーで動いており,トライ&エラーを繰り返しているから「これぐらいの時期はこれぐらい」という感覚が染みついている.
言い換えれば予知能力がある.だから焦りもする.
ところが肝心の選手はどうだ.
正月に遊びほうけ,箱根駅伝みて気合いが入ったかどうか知らんが,いざグラウンドに戻って集合して,走り始めるとガッタガタ.
そんなふうになっていないか?
監督・コーチから「残された時間は少ない」と言われても,外は寒いし,なんか身体は動かないし,眠いし.「まあ,まだ時間はそれなりにあるでしょ」
これは何もユニバーシアードや関東インカレを対象としたものではない.
何だってそうだ.
何を基準に,そして自分はどうなりたいかで「残された時間」は変わる.
「そんなこと言われたって,いまいちピンとこない.だって目標が定まっていないし,断固たる決意もないし」
だったら1日1日,最高の自分であることに努めなさい.
早起きをし,今日は何をするべきか考え(できれば前日の夜に考えておきたいが),そのなかで最も重要な2つを今日のミッションと心がけ,必ず達成できるように1日を使いなさい.
残された時間は50年かもしれないし,数日かもしれない.
目標があるならば,それを達成するため,中目標,小目標を達成し続けること.
目標がイマイチ定まっていないなら,なおさら考えるうる最高の日々をコツコツと積み上げること.
それができてはじめて「俺には時間がないから」と口にできるのだ.
君に残された時間はどれくらいですか?