日本人8000点の夜
日本人十種競技者としては,8000点を超える選手は史上2名しかいない.
その2名は2014年7月現在,現役選手であり,ひさしぶりに共に夜を過ごす機会を得た.
始まりは何でも無い世間話だった.
そして自然と競技の話となり,より具体的な,細かい,トレーニングに対する話につながる.
その内容は大変深いものであり,単純なトレーニング効果についての内容ではなく,トレーニング哲学が前提としてある,自分自身の競技者としての生き方についての話となった.
このレベルまでの話に到達できる競技者は希だ.
自分自身の身体を強化し,結果を出すために最善を尽くす.それに全てをかけ,悩み,苦しみ,光を夢見て戦う.
けれども,そのほとんどは明るい日の目を浴びることなく,いや,自分自身が満足することなく競技生命を終える.
しかし,今,私の目の前には日本人十種競技者の悲願であった,すくなくとも,十種競技にとりくむ私の夢であった日本人8000点を超えた2人の競技者がいて,その2人は「次の成長が楽しみだ」とはっきりと言葉にする.彼らは今,光の中にある.
いまだ成長出来ており,それが一番うれしいとはっきりと言葉にする.
どうだろう.
前人未踏と言われた8000点を超えた二人でさえ,今,この瞬間も成長していると自負する.
我々は,日本十種競技界は,そしてその下で虎視眈々と自分の時代を作ろうと狙っている選手は,もっともっと楽しみに,もっともっと貪欲に,そしてもっともっと前向きに自分のデカスリートとしての未来と向き合うべきではないか?
トップの2人が突っ走るかぎり,日本の十種競技界は明るい.
その後に続くのは君だ.