他者の人生を自分に取り込み,道具に,武器にしている

武大陸上部の金子コーチが本を読むことについてブログを書いていたので,MNBもひとつ.


本なんか読まなくてもいい,読んでも大して得しない,,,,実はちょっとめんどくさいし,ホンネをいうと難しそうだし.

いろいろな理由から読まない人は少なくない.

先日の新聞かなにかでも,本を読まない日本人が増えて,47%もの成人が本を読まないとしている.なんて記事もあった.



人間の根源的な欲求,食欲,睡眠欲,性欲.

本を読むことでこれらを満たすことはできない.

本を読まなければ生きてはいけない,,なんてことはない.

だから読まない.面倒くさいし.



MNBもかつてそう思っていた時期があった.

というより,本を読むことよりもTVをみたり,ゲームしたり,ネットしたりするほうが楽しいから,本を読むなんて気持ちはわかなかった.

そして,そのまま就職していった.



ある時,憧れの人が出来た.

尊敬する人たちと出会えた.

そして,自分もああなりたい,ああいう風に立ち振る舞いたい,ああいった言葉がけが出来るようになりたい.と思った.

尊敬する人たちと同じ目線で会話をしたいと思った.



でも,そうした人たちと楽しく,自分を高める会話をしようとしたが無理だった.

それほど,経験と知識に差があった.物事の捉え方,考え方に差が有りすぎて,まさに「話にならなかった」.

自分はなんて勉強不足,経験不足なんだろうと打ちのめされ,「本当の意味での勉強」をしなければダメだと痛感した.

そして本を読むようになった.

というより,尊敬する人たちが何を読んでいるのか,そのお薦めを聞いて,片っ端から読んでいった.



加えて,あることに気づいた.

一冊の本.それを書き上げるために,作者はどれほどの苦労をしているのだろう.

かくいうMNBも陸上競技マガジンに連載を持っているので,他者に読んでもらう文章を書くことの苦悩は多少なりとも知っている.

一冊の本には作者の人生,魂,苦悩,いろいろなものが詰まっている.

それがわずか数千円,場合によっては数百円で手に入ることに気づいた.

そして,本を読む大人達は,読んだ本の内容を,他者の人生を自分に取り込み,道具に,武器にしていることに気づいた.

大げさかもしれないが,我々は本を通してお互いの人生を高め合うことができることを知った.



どうだろう? 本を読んでみたくなったかい?

とはいっても,自分に合った,一気に読んでしまえるくらい面白い本と出会うのは難しいものだけど,そうした出会いに期待しながら本屋さんを廻ってみる.

新しい出会いが人生を変えるかもしれない.そんなワクワクした思いで,まずは図書館へ足を運んでみてはどうだろうか?