分散力を磨く

学生募集での長旅,日本縦断の移動,遠征などでふと気づいたこと.

集中すべきときは集中すべきだが,注意力をわざと分散すべき「分散力」も身につけておくと疲労が少ないのではないか.

ぼーっとするのとはちょっと違うが,あえて気持ちを目の前以外のことに向けて,注意力をわざと分散させて気を紛らわす.

人間,つかれるとどうしてもボーっとしてしまうが,その状態を意図的に作り出すことができれば,中枢系の疲労を軽減させることができるんじゃないかと最近は思っている.

とある動物学者が「生物というものは,本来意識が集中するようにはできていないのではないか.捕食者から逃れるために,注意力を一点に集中させるのではなく,常に分散させるように出来ているのではないか.」と何かで書いていたことを思い出した.

教育者,そしてトレーナーという立場,役割を担うMNBは,普段からこの分散力を磨いている.つまり,様々なことに注意を分散させておき,自分が探したいもの,もしくは何かしらの違和感が生じたら,即座に反応できるようにしてある.

それは「周囲に集中しているのでは? つまるところ集中力では?」と問われると,明確に答えることはできないが,どうも集中することとは,脳のなかで起きている反応が異なるので,やっぱり集中ではなく,分散だろう.



さて,現在はフランクフルト空港.これからモスクワ,そしてカザンへ移動.

6回連続,6回目となるユニバーシアード日本代表への帯同.

分散力を発揮して日本代表として戦ってこよう.