ピンチはチャンス

ピンチはチャンス


これはMNBの同僚であるトレーナーがよく口にする言葉である.

いろいろな意味にとれるかもしれないが,これは非常に重要な人生訓であると思う.



何か過ちを犯してしまった.

これは人間なのだから仕方がない.だれだって失敗はあるし,ミスもする.



重要なのは「そのあとどうするか」だ.

ミスがばれていないから隠しておく.

怒られるのが怖いから,ほとぼりが冷めるまで近寄らない.

こうした「臭いものにはフタをする」という行動は,チャンスを棒にふっていることに気づいているだろうか.

近い将来だけで考えてみると,印象は悪いだろうし,怒られる,叱られるのはイヤなものだ.

精神力の弱い者なら,場合によってはトラウマにすらなりかねない.




けれども,長期的視野,遠い未来まで見据えてみると,そうやって叱られた,怒られたことに対し,真摯に,誠意をもって謝罪し,指導をうけることで,人間は大きく成長できるチャンスなのだ.

自分を叱ってくれる人をそばに置くこと.



上級生になって,コーチになって,監督になって.

立場が上になればなるほど,イエスマンは増えるだろう.

学生ならば,学年があがるにつれて,勝手に後輩が増え,否応なしに「何か偉くなった気分」になるのも事実.

その分だけ,変なプライドが育ってきて,叱られることに対して免疫が無くなっていく.

結果,叱られたことに対して対応できなくなり,誠意がなくなり,自分と正直に向き合うことができなくなる.

そして,自分が成長できるチャンスを無くし,視野も狭くなり,人間としての器が小さくなっていく.



そんな人間に育って欲しくない.

間違ったことに対して叱るのは当然.けれども,そこで気づいてほしい.

自分自身が成長できるチャンスの真っ直中にいるのだと.





PS
「ピンチはチャンス」の笠原先生が日本トレーニング学会において学会賞(優秀賞)を受賞したとのこと.

おめでとう!