2012年度卒業生に贈る言葉
卒業おめでとう.
卒業を英語でGraduationといいます.
このGraduationには,目盛りという意味もあるそうです.
君たちの人生における大学生という目盛りは今日で終わり.
明日からは社会人という目盛りがスタートします.
もちろん,次の目盛りに移ったからといって,君たちが劇的に進化するわけではありません.昨日の君と,明日の君では,ほんの少ししか違いはないかもしれない.
けれども,4年前を思い出して下さい.
高校時代,インターハイで勧誘されたことを思い出して下さい.
新入生合宿を思い出して下さい.
卒業記念パーティーの準備で暴れて厳重注意をくらったことを思い出して下さい.
どうですか?
あれから,ずいぶんと成長しましたね.
私は,君たちの成長を一番近くで見てきて,年をおうごとに強く逞しくなっていく姿に関心していました.
さっき,セイヤが「努力して体を作ってきたけど,何の役にもたたんかったわ」と嘆いていました.
そうではない.実らない努力などない.これからどう実らせるか.役に立たせるのはこれからです.
これからは大学で身につけたもの,得てきたものを武器に社会で戦っていくことになります.時には挫折もあるでしょう.
とうてい乗り越えることはできないと感じる大きな壁に出会うこともあるでしょう.
自分がいま持っている武器では勝ち得ない障害とぶつかることもあるでしょうし,いいようのない理不尽さに打ちのめされることもあるでしょう.
そんな時こそ,大学で何を学んできたのかを考えるのではなく,どうやって学んできたのかを思い出して下さい.
君たちが全力で,一所懸命になって取り組んできた陸上競技を活かすのはこれからです.
君たちの監督として話をするのは今日が最後.
けれども,眞鍋はこれからも君たちの喜びを,悲しみを報告してくれる場所,君たちが帰ってくる場所を守っていきます.
成功も失敗も全て君の手の中にあります.
自らの人生を自らの手で切り開かなければなりません.
結果を恐れてはいけない.
君が恐れなければならないのは全力を出さなくなることです.
人間は慣れの生き物.
グラウンドで流した汗に恥じないよう,一所懸命であることに慣れてください.
また,いつの日か大きく成長して出会えることを願っています.