やらせるのではなく,やりたくさせる.

一個人としてソフトを磨く時代になっているという.

これに反してハードとは,いわゆる「肩書き」

ドコドコ大学だとか,ナニナニ企業だとか.



もちろん,学歴や経歴,さらに肩書きは重要.

初見における,もしくは未見状態での信頼を構築してくれる.

しかし,現代ではもはやそれだけではダメということだ.

では,このソフトとは具体的になにか?



人間力と一言で置き換えるのは簡単だが,それでは具体性がなさ過ぎる.


ここは自分の持っている魅力を表現する能力としたい.

どんなに素晴らしい考えを持っていても,行動しなければ,行動してもらわなければ意味が無い.

自らが持ち得たものを,磨き得たものを表現し,アウトプットすることが重要.

だからMNBのゼミでは「プレゼンテーション能力」を磨く.

これはパワーポイントを使った,いわゆる学会発表や卒論発表などの能力を磨くのみにあらず.

自分を売り込む方法を磨く,自分の魅力を表現することが重要と考える.



とはいっても,「俺は俺は・・・」ではない.そんなのは飽きられて終わり.

そうでなく,相手が求めるもの熟考し,それに対して自分が提供できるものを準備し,マッチングさせる.そしてその場の雰囲気を素早く察知し,常に方向修正をかけながら進める.もちろん,相手に「提供すべきもの」についても事前に良く考えておく.

この積み重ねがプレゼンテーションである.

プレゼンテーションとはプレゼンス(存在感)を発揮することであり,そのために自分を披露するものである.

そして究極は対象の行動を縛る,制限する,導くことである.



自分のことを覚えてほしい相手.その相手に最初にであったときにどうするか.

そもそも名刺を出して「私は〜〜というものです」では全く駄目だ.

「覚えてもらう」ことが目標ならば,いかにインパクトを与えるか.

できれば楽しく,肯定的な印象を持ってもらうためには何をするべきか.

顔や服装に始まる第一印象,言動も重要だ.握手はどうする? 名刺の渡し方は? 話す内容は?



すでに既知の間柄である相手に,何かを頼む時はどうすればいい?

頼むのが目的なのだから,相手が「イエス」を言いやすい環境をつくってあげれば良い.

肯定的な感情を刺激するのか,挑発的に挑むのか.

これもやっぱりやり方次第だろう.



やらせるのではなく,やりたくさせる.

それがプレゼンテーションだ.


そして我々指導者は,導くという言葉のとおり,自身のプレゼンテーションによって学生が行きたい方向,指導者が行かせたい方向に,行けるように仕向けてあげるのが仕事だ.