陸上競技者における最小公倍数

レーニング内容を考える.

当然のことながら,チーム全体としてはシーズンインとなる4月,そして5月の関東インカレを起点として考える.

レーニングを構築する場合,まずはマクロ的な広い視野をもってスタートする必要があるが,対象となる競技者のレベルによってその起点は大きく異なる.

オリンピックを考えるものであれば4年というサイクルになるし,大学生でも4年生を目処に考えるのか,それとも来年結果を出さなければならないのかによって,当然練習の流れは異なる.

結果,今年はどのようなコンセプトになるかが変化し,今やらねばならぬことが決まる.

どのチームのコーチもこうした考えで練習を決めていくかと思うが,難しいのは大所帯のチームを率いる場合だ.

パーソナルコーチであったり,スポットコーチであったりする場合と異なり,今のチーム全体,全体の傾向に沿って最大公約数を採用するのか,それとも特定の競技者に焦点を絞って練習を行うのか...



と,かつて二者択一風に考えていたが,そもそもどの競技も身体を目的通りに動かす必要があるという混成競技的思考をもってくれば,いわゆる最小公倍数が大きくなり,ある程度の基礎練習・体力養成練習を中心に持ってこれるようになる.

今の記録よりちょっと強くなればいいやという低い志ならば,細かい技術や専門練習を行えば良いだろう.なんか頭で考えて練習している気持ちになれるし.

けれども,ドカンと大きく大輪の花を咲かせたい,将来指導者になりたいのならば,もっと志は大きく持つべきだろう.

自分自身に必要な練習はそれぞれ異なる.

しかし,それは最後の上澄み部分であったり,動きの感覚であったりするわけで,基本的な「身体をしっかり強く,鋭く動かす能力」というのは共通しているべきで,それが最小公倍数なわけだ.

強い奴は何をやらせても強い.

この「何」が最小公倍数であり,例えばバウンディングや立幅跳,メディシンボール投げや30mダッシュでしょ.

こと陸上競技においては,意外と最小公倍数というのは大きなものなんじゃないかな.


PS
眞鍋はただいまドイツに遠征中です.
なので,お電話いただくと...
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