関東学連学生トレーナー有志勉強会

一番最初はいつだったかなぁ.

正式に勉強会となって,お互いに情報交換したり,共通の悩みについて勉強しようとなったのは,MNBが大学院になったくらいだったかと.


今年度は武大が当番校にて行うことに.

大まかなアウトラインは相談にのるが,基本的には学生主体の勉強会なので,大きな間違いや,リスクがない限り,出来るだけ学生主体で進めさせてあげる.つまり口を出さない.特に当日のやり方については,出来る限り口を出さない.これはMNBの勉強会ではない.学生主体の勉強会だからだ.



今年も10校50名弱の参加.



武大トレーナー代表のSKと内容について相談.相談.相談.

結果,最初のディスカッションは「トレーナーとしての在り方」をメインに据えることに.

「やり方」は多くの先生方が教えてくれるだろう.でも「在り方」は自分達で決めなければならない.



他人が求めるトレーナー像と,自らが求めるトレーナー像の狭間で苦しむ学生トレーナーは多い.

プロならば,監督やコーチの方針に従うべきかもしれない.

けれども,学生は違う.今自分自身が持っている武器で戦う,戦いたいためにどうするべきか.監督やコーチ,チームの事情を考えると,どうするべきか.

その狭間で苦しみながら,それでも,自分自身のトレーナーという立場,役割を探し,見つけ,磨く.その努力ことが輝く自分を作るキッカケになると信じている.

そして,それは理念という形で実を結ぶ.

理念は枝葉となる行動や,迷ったときの道標となる.

そんなことを考えるディスカッションになればと思った.





午後は救護シミュレーションだ.

これはもっと面食らったと思う.



武大陸上部の選手達にも手助けしてもらい,実際に競技をしながら,突発的に怪我(もちろん演技だが)を起こしてもらう.

3カ所に分かれ,それぞれが同時に進行しながら,救護活動を行ってもらう.

走幅跳,中距離,長距離,リレー,棒高跳びハンマー投げ

バックボードが必要なほどの外傷や,経過観察ですむ程度まで.

もちろん,競技者役だけでなく,審判役や補助員役まで行ってもらった.

さらに,最初に打ち合わせしてあった怪我から,追加であたらしい怪我,野次馬までオーダー.



反対に学生トレーナーには何も事前情報は伝えず.

ほぼ,その場の瞬発的な判断で行動してもらう.

怪我は全て演技なので,逆に難しかったかと.



でも,演技役の選手達や,学生トレーナーたちも皆,戸惑いながらも一生懸命行ってくれた.

内容の可否や上手,下手はともかく,こうした思考の瞬発力を鍛えることこそが,救護には必要不可欠だ.

加えて,日々の心構えの重要性も解ってほしいと伝えた.

宿題はAEDの設置場所だ.さりげなく確認し,もし,今この瞬間に必要となっても即座に動き出せる.

そんな心構えこそがトレーナーとしての生き方に繋がる.



今日,勉強会に参加してくれた学生トレーナーから何人がトレーナーという職業に係わるかはわからない.けれども,学生トレーナーとして,学生トレーナーという立場だからこそ学ぶことができることがある.

それは例えトレーナーにならなくとも,トレーナーに係わらなくとも活きることだと思う.



トレーナーの勉強とは実学だ.

だからこそ厳しく,尊いものであるべきだ.

時には競技者よりも厳しく激しい.

学ぶべきことは多い.そして,身につくものは少ないかもしれない.

でも,この実学を通して身につけたものは一生の宝になるかもしれない.



ようこそ勝浦へ.