勝機はゆらぎの中に

大事な勝負に対して,全身全霊で集中するのは当然だ.

でも,その前の準備段階から常に100%の集中力を発揮するのは難しい.というか,そんなことをしていると失敗するかと.

競技パフォーマンスと覚醒状態との関係を表すと逆U字曲線になるというのはよく知られていること.

覚醒状態が低い(集中力が低い)と当然良い結果は生まれにくいし,過度の覚醒状態(緊張)では,やはり良い結果は生まれにくい.

完全にレールに乗った状態.

つまり,何が起きても即座に対応できる流れにのった状態であったり,全てが予想の範囲内で,環境の変化も含めて,自分に都合の良いことしか起きないのであれば,入れ込み過ぎでも大きな問題はないかもしれない.

でも,陸上競技のようなクローズドコンディションでのスポーツでさえ,そんなことは大変に稀だ.

だからこそ,常に最高の,つまり逆U字曲線の頂点を発揮しようとするのではなく,有る程度コントロール出来る範囲で揺らいでいることの方が,「いざこの瞬間!」というときに最高の結果を出すためには必要なのではないかと.

集中しきっていないわけでもなく,入れ込み過ぎているわけでもない.

そうした「揺らぎ」を自分でコントロールできるようになれば,覚醒状態の不自然な,不随意なハズレを防ぐことができる.それこそが「常に良い結果を出す」ために必要なことかと.

特に普段と異なるような環境下での試合,経験があまり無い状態でのインカレや国外での試合などは,そうした精神状態のありかたが結果を大きく作用する.


さあ,武大記録会,静岡県選手権,各都道府県選手権,そしてフランダースカップ.揺らぎをものにして,自己ベストを勝ち取ろう!