相手の趣向を理解し,そこをくすぐる方法
昨日の朝日新聞,
「カオスの深淵 選挙を疑う」の第5回.〜選んだのは本当に自分〜 という記事が面白い.
ある選挙において,とある議員が
・都市部の住民向けパンフレット <= 小型犬と一緒の写真
・郊外の住民向けパンフレット <= 狩猟犬と一緒の写真
を掲載したとのこと. もちろん意図的に.
どうやら,有権者の関心は「治安」で,都市部では部屋で飼える小型犬が,郊外では狩猟犬が「安全」のイメージなのだという.
この戦略を支えたとされるコンサルトによると,「性能や値段で商品を選んだと思っていても,実際は広告による潜在意識への刺激に左右される.」とある.これはニューロマーケティングという手法らしい.
そして,この議員は当選した.
私達においても同様の出来事は生じている.
理屈ではAだということは分かっているが,どうしてもBを選択してしまう.
なんとなくBのほうが自分には合っていそうな気がする.
そして,「あとづけ」のようにBを選んだ理由を探す.Bで良かったんだという満足感を生み出すために.
それは学食でメニューを選ぶとき.車を選ぶときだったり,そして時には恋人選びだったり(その前にモテる必要あり?).
潜在意識に影響を受けた選択を,自分で選んだものだと納得させる過程を経ることで,自分の潜在意識,趣向を理解していくこともあり得る.
あとづけの理由を積み上げることで,自分の趣向を作り上げることもある.
ニューロマーケティングをつかった手法は,こうした趣向を作り上げるキッカケともなる.
MNBがゼミにおいて指導するプレゼンテーションの究極は「相手をコントロールすること」.
相手の趣向を理解し,そこをくすぐる方法を模索してみよう.