選手にテーピングを施したら,一歩目の表情を見よ.

今日はテーピングの評価に関する話.

選手にテーピングを施したら,一歩目の表情を見よ.

立った瞬間,歩いた瞬間に「おっ! イイ!」という顔にならなければ失敗だ.


殆どの選手はトレーナーに遠慮している.


内心は「うーん.イマイチかな」でも,口からでる言葉は「ありがとう.なんとかなると思う」だ.

内心は「うーん.もう少し固定してくれたほうがいいなぁ」でも,口からでる言葉は「うん.大丈夫.ちょっと動いてみる」だ.


だからテープの評価について選手に「どう?」って訊くのは,正確な評価を得ることには繋がらない.

これを知らずに,選手からでる「ありがとう」の言葉に有頂天になってしまっては,成長することができない.

そういうトレーナーは非常に多い.


だからこその表情だ.


テープを巻かれた選手が立ち上がり,動きの確認をする.

その瞬間に,顔がパァ!っと明るくなる.

「おっ! これならイケル! 痛くない!」という心が選手の顔を太陽のように明るくさせる.

これが成功.


そして,トレーナーとしはこれがスタンダード.ここまで出来て,はじめて一人前.当然.当たり前.

その経験がない,言ってる意味がイマイチわからないというのは,あぐらをかいている証拠だ.修行せよ.


そして,繰り返し同じようなテープを巻いている選手に対しては,目つきがかわるかどうかを見よ.

「いつものテープをお願い」というようにルーティンワーク化している場合,君のテーピングによって選手にスイッチを入れよ.

テープを巻かれた,ストレッチをされた,マッサージをされた選手が,立った瞬間に「よし.やるぞ」というスイッチが入ること.それが成功.


これらの成功を技術だけで成し遂げようとしてはいけない.

トレーナーの役割は選手の100%を引き出してあげること.テーピングやマッサージの技術だけでは100%は引き出せない.

知識と経験に裏付けされた,そしてトレーナー自身の人間性によるケア,コンディショニングがあって,はじめて成功するもの.


あえて誤解を恐れずに言わせてもらうと,MNBは「本物のトレーナーに向いている人間は少ない」と思っている.

たしかに技術は磨ける.時間と熱意があれば.

しかし人間性を磨くのは大変だ.トレーナーという役割に向いている人間性,向いていない人間性がある.

そして人間は根っこのところは簡単には変わらない.だから向き不向きがある.


今日,MNBが書いたことについて,「そんなの当たり前だろ」と言える人間はトレーナーに向いている...か?

ちょっと上から目線のMNBでした.