左右差 クセ を活かすか殺すか

トレーナーの仕事(?)をやっていると,良く「左右差」という言葉を目(耳)にする.


マユツバものの怪しい人物が「ほら,右足の方が長いでしょ? 骨盤がゆがんでいるんだよね.だから腰痛になる」としたり顔で言っているのを見たことがある.

この左右差,まるで悪者のような扱いを受けることが少なくない.

だから「左右差を無くそう」という言葉が良く出てくる.



しかし,そもそも人間とは左右差があるものではないか?

一見すると,手足は両方同じようにそろっているが,内臓なんかは完全に左右で異なる.

さらに右利き,左利きというように利き腕も存在する.



もともと左右差があって,それを上手くバランスして動いている選手に対して,左右差を無くし,左右均等に同じように動かすように指導するのは意味があるのか.

ひょっとしたら意味が無いかもしれないし,劇的に競技パフォーマンスが向上するかもしれない.

が,多くの場合は上手くいかないように感じる.




これと同じように難しいのがクセだ.

動きのクセというのも必ず存在する.



加速し始めるときに首から動き始める選手,ステップを踏む選手,踏み切りでの目線や傾き.

こうしたクセも「ほっといて良い」ものか,「致命的」なものかを見分けるのは大変困難である.

物理的法則だけで事が進まないのがスポーツの面白くも難しいところ.



が,そもそも自分のクセや左右差さえ解っていない選手が多いほうが問題か.



※この日記は「武井壮」氏のツイートをもとに作成されました.