天才を装うバカは大勢いるが,バカを装える天才を
今日はM1の第二回中間発表.
今回はコーチング科学系だけでなく,全ての系が同時に実施された.
なかでも目を引いたのがいわゆる人文系の発表,日中両国の刀術に関する一考察だった.
第一回中間発表では,正直メタメタの内容だったように思う.
やりたいことはなんとなく伝わるのだが,その方法や意義などが全く伝わらない.
今だからこそ言えるが,怒りすら覚えた発表だった.
しかし,第二回はどうだ.
知識は元々もっていたのだろう.さらに勉強もたくさんしたのだろう.
しかし,最も驚いたのは「知識や勉強した成果がしっかりとこちらに伝わってきた」ということだ.
言うまでもなく,スライドを使ったプレゼンテーション能力が大変向上していたということ.
逆に言えば,プレゼンテーション能力が乏しかった第一回は,今回に匹敵する知識があったとしても,一切こちらに伝わってこなかった.
「私は世界で一番あなたを愛しています」と思っていても,それが事実だとしても,相手に伝わらなければ文字通り意味がないのだ.
ボロを着ていても心は錦.MNBの兄弟子でもあり,恩師でもある人物が,よく言っていた言葉だ.
たしかにある.それはある.
しかし,自分をアピールする場合ならば敢えてボロを着る必要はなかろう.
ジョブスがジーンズを履いて発表するのとはワケが違う.
大学院にて学ぶべきことの第一は,自分の思いを形にして,相手に理解してもらえる能力を養うことだ.
そうでなければ,高度な専門的知識も役に立たない.
高度で難しいことを,そのままわかりにくく伝えるのは誰にでもできる.
しかし,かみ砕き,わかりやすく伝えることは「本当に解っていないと」できない.
本当に解っていても「相手のことを考えない人間」は理解されない.
バカと天才は紙一重.天才を装うバカは大勢いるが,バカを装える天才を目指してほしい.
それこそがコーチングだ.
自分の思いをいかにして相手に伝えるか.
その重要性を再認識させてもらった.