日曜日の日記は難しい

日曜日の昼過ぎ.

妊娠中の妻と娘は昼寝中.

MNBは一仕事を終えて日記をかいていた.

書いてみた文書が,あまりにつまらなく,くだらなく,意味のないものだった.

自分自身で「意味のないことをするのはきらいだ」と文章に書いていながら,意味のない文章を書いていた.

アホかと.サザエさんの学歴なんか書いてどーするのかと(笑




で,さっきまで書いていた日記をすべて削除して,この日記を書いている.

何を書こうかと思っていたが,さっきの日記を削除したことで気づいたことがある.

削除って難しい.だからこそ意味があるのだと.



たとえば研究発表のスライド.

15分ほどの発表時間に,20枚近い枚数のスライドを作る.

文章も一杯だ.

情報も一杯だ.


当然だ,自分自身で素晴らしい研究をしたという自負があるから,なんとか「何がなんでも伝えたい」ことが多くなってしまい,結果として何がなんだかわからなくなる.焦点がぼやけてしまうのだ.


人間の脳みそというのは,一回で記憶できることに限界があるようで,しかも何か強烈な出来事があれば,その他のことは忘れてしまう.

つまり,大切なことをたくさん伝えるというのは,発表者側からすると極めて困難な作業となる.

それを理解していないと,結果的に「たくさんありすぎて何がいいたいか解らなかったよ」となる.




その対局にあるのがスティーブジョブスの講演だ.

彼のプレゼンは極めてシンプルだ.

そして挑戦的であり,言葉の意味を飛躍させることが多い.



スライドに文章が乗る事は皆無に近い.

ほとんどが「単語」であったり「熟語」であったり



一発の強烈なイメージを提示し,それについて最小限の説明を加える.

決して言い過ぎない.

むしろ,言わなさすぎる点が多い.

しかし,聞いている側は強烈かつ鮮烈なイメージと,足りなさすぎる情報を自分で確認してみたいという好奇心にかられて,Macを買ってしまう.

シンプル イズ ベスト

という言葉を,まさに体現しているプレゼンだ.




まずはスライドを作る.とにかくたくさん作る.そして一度完成させる.

次に,そのコピーをつくり,こんどは「どれだけ内容を削れるか」を試す.

とにかく削る.文字も無くす.出来る限りイメージで,一発で伝わるように変更していく.

そして,出来上がったものを,最初に作ったものを見比べる.

自分がいかに独りよがりで,無駄な情報を伝えようとしていたかがわかる.




伝え上手な人は,目的が明確であり,情報通であり,選択する能力が高い人だ.

伝えるのが下手な人は,目的が曖昧であり,情報に翻弄され,選択する能力が低い人だ.







・・・結局よくわからない日記になってしまった.

日曜日は駄目だな.