車の運転 たまには目をつぶってみようか

昨日の○○○会議が終わって,まだ興奮さめやらぬ日曜日.

ま,仕事と部活のことはおいてリラックスしよう.



というわけで今日は・・・車の運転.

最近,インプレッサを手放すことが決まって気づいたこと.

というよりも,インプレッサのダイレクトなフィールによって気づいていたことをおさらいし,手放すまでの期間で完全に身につけておこうと思ったこと.


それは車の挙動を理解すること.


車というのは,大小さまざまなだが,基本は4つのタイヤで,しかも1つのタイヤにつきハガキ1枚分の接地面積しかもっておらず,その摩擦抵抗によって進んだり止まったり曲がったりするもの.


安全運転でもスポーツドライビングでも,今,その瞬間の車の挙動をつねに感知しながら運転している.

ここで重要な事実は,身体に入ってくる情報はすべて「過去のもの」であるということ.

速度によって何m前に起きたことというのは異なるが,我々は「すでに終わった事象」を身体で主に振動として感知しながら前に進んでいるのだ.

そして視覚.

これは未来を捉えようと努力する.

自分が走ろうとしている道路,そのライン.

点滅している青信号を見たら,どのくらいのタイミングで赤信号に変わるか判断する.



運転するのに利用している情報のなかで,唯一視覚だけが未来に関する情報を与えてくれる.
(同じく聴覚情報も未来を予測するのを手伝うが,これは大変困難であるので割愛する.)


だからこそ,安全運転にとっては視覚情報が一番重要だ.

これは教習所でも教わること.




しかし,残念ながらそれは低速では十分なことだが,高速になるとそうもいかない.

しかも雨や氷などの低μ路.つまり滑りやすい道などはもちろん.



現在の自分の車がどういう状況下に「あったか」を身体で感じながら運転をしなければ,いくら次を予測できても,対応できないことが多い.




・・・ここから先は競技者向けの高度な話.


人間の集中力や,身体感覚を意識するキャパシティというのはきまっている.と思う.

たとえば,総量が100としたら,視覚に80を割り当てたら,身体感覚に残せるのは20ということになる.


通常の運転では,突発的な事故(とびだしなど)を回避するために,予測に集中力を主に使う.


けれども,サーキットなどでのスポーツドライビングでは「進行先に対する予測」はそれほど重要ではない.

その分,身体感覚を鋭敏にし,いまどれくらいタイヤが滑っているか(物理的・厳密にはどのような速度でもスリップは生じている),車がどの方向に移動しようとしているか,ハンドルの切れ角に対して,進行方向はどれくらいの誤差が生じているのか,


などを感知するために,身体感覚に割り当てる集中力を増加させてドライブにのぞむ.



これは練習で同じ.





みんな視覚に頼り過ぎじゃないか?

もっと自分の身体感覚を研ぎすましてほしい.



円盤のターンをしている時,軸足はどのように動いている?

わずか0.1秒の接地時間.スプリントにおける瞬間的な体重移動は?

跳躍で空中に浮いているときに腕はどう動いている?



視覚に対して当たり前に100%を割り当てていないか?




たまには目をつぶってみようか.



あ,車の運転で目をつぶるなよ(笑