教育という条件付け

成功体験の積み重ねは「俺は出来る」という肯定的な条件付けにつながり,問題点に対して積極的に向かう人格を形成する.

だれもが知っていることだ.

問題となるのは「成功体験はそう容易く得ることが出来ない」ということ.



しかし,子供の場合は異なる.

子供に対して積極的に褒め,何かができたら「やったね.よくできたね」というように,何気ない体験を「成功体験」へと昇華させてあげることができる.

親の影響は大きい.

こうして成功体験を積み上げた子供は,「自分はやればできるはずだ」という自信を持つようになり,社会に出て壁に遭遇したとしても「自分は乗り越えられる」という気持ちとともにアタックを開始する.

何かをしたら怒られるという恐怖によるモチベーションは,積極的な人格を形成させない.

問題を解決するのに,未知なる自分の力を発揮することを抑制してしまうからだ.




教育とは,条件付けに繋がるものである.

最もわかりやすい例が挨拶だろう.

目上の人,先生らしき人をみつけたら「おはようございます」と挨拶をするように条件付けてあげる.

大学の4年間で身についた条件付けによって社会にでる.自然に挨拶ができる人間になる.

体育大における第一の教育だ.



また,教育においては,駄目なものはダメだという規律を条件付けることも重要だ.

すでに精神的に自立している人間に対して,褒めてばかりでは教育できない.

まっとうな方法で戦えば,例え失敗しても怒られることはない.

結果が悪いから叱られるのではない.

その結果の出し方に問題がある.

そう気づいて欲しいから,叱る.

自分のなかにある,未知なる力.素晴らしい力,能力,可能性を秘めているのに,それに気づかない.気づこうとしない.

そんなもったいないことはしてほしくない.



規律も,ルールも存在しないなかで,自分の力に気づくことは大変困難だ.

縛りがあるからこそ,自分の限界に気づき,それを突破しようともがくことができるはずだ.

成功するために努力を重ね,自分自身でそれを褒めてほしい.

その積み重ねこそが,明日の成功へと繋がる.

近道はない.堂々と誠実に日々を頑張ろう.