師をみて育つ
MNBは大学3年生の時に「大学の先生になってみたいな〜」と思った.
当時院生だった高松先輩(JISSの立ち上げメンバー.昨年度より流通経済大学に赴任)に何気なく進路を相談したら「オリンピックに出る,もしくは大学院で博士号をとって大学の先生になるのもいいぞ.」
まあ,何気ない会話だったので半分冗談みたいなものだったが,それまで大学の先生なんざまったく考えていなかった自分に,ある種のきっかけを与えてくれた言葉でもあった.
よし.大学院に行こう! と決めたのは良いが,同じ応用解剖学研究室の大学院生でアニキのような存在だった大山先輩(現:筑波大学陸上部監督)が,他の研究室に移ると共に筑波大学の先生に・・・・
さらに博士課程で面倒をみてほしいと考えていた応用解剖学の岡田先生が次年度から筑波を去るとのこと・・・
つまり指導教官がいない.行く研究室が無い...
そんなこんな迷っていたら,当時の恩師(というか大学院までずーっと恩師)だった尾縣先生から「ウチに来い」との神の声.
「ただし,来るなら奨学金をゲットできるくらい優秀な成績で来い」
当時,大学院受験で優秀な成績を収めた学生には,第一種奨学金付与を受ける権利があったんですね〜 これは大学の先生になれば返済が免除になるという,打ち出の小槌みたいなもの.
このとき初めて知りました.
この時点ですでに7月頭.大学院の受験は8月終わり...
さあ,猛勉強ですよ.
もう.猛勉強.
よく,メシ・風呂・寝る時以外は勉強するという言葉を聞くが,そんなもんじゃない.
1日24時間,全て勉強.
寝るときは夢で勉強.
朝起きた瞬間から勉強.
勉強以外は何もしない.常に試験勉強.
そこらの早慶対策の単語帳なんか1週間でページごと丸暗記.
大学院の過去問(英語2時間,教養2時間)なんか,1日で5回くらい解く.
鉛筆の先から煙が出るくらいの勢いで勉強.
2ヶ月間,勉強しかしてないから体重も落ちる落ちる.正確じゃないけど別人なくらいやせました.
その分,脳も別人に.
競技もなんでもそうだけど「ココまででOK」という人生を送っては意味がない.
走れるだけ走る! ということを自分から実践したのはこのときが初めてかもな.
当然のごとく合格.
当然のごとく奨学金ゲット.
そりゃそうだ.少なくともこの2ヶ月間は,世界中の誰もが俺以上の勉強はできないだろうからな.
って俺の勉強自慢はどーでも良い.
師のそばで大学院生活.
仲間もたくさん.
当時から尾縣先生はJOC,日本陸連,日本学連,関東学連で重要な仕事をたくさんこなしており,日本体育協会だとかプロゴルフ協会だとか,とにかく色々な方向でスーパーに活動していた.
そうした師の背中をみているときから,「ああ,おれもこうなるのか」と勝手に想像.
陸連や学連でバリバリ仕事をする自分を想像.
大学の先生になって部活動をバリバリ指導する自分を想像.
ピントがぼけていた頭のなかの妄想は,だんだん鮮明になり,そして実現するための目標となり,目の前の現実となってきた.
俺が言いたいのは「頭のなかに鮮明な目標をもっているか?」ということ.
人間は,少なくとも俺は鮮明な目標があるときは,信じられないほどの努力が出来,かならず目標を達成できてきた.
目標をどれだけビジュアライズできるか.
大学院の時は,なりたい目標が目の前にいたから,ビジュアライズする必要すらなかった.
だから今の俺がある.
「目標を持とう」というのは簡単だ.
その目標が自分にとってどれだけ価値があるか.
自分の欲望をどれだけ刺激するか.
頭のなかで鮮明にビジュアライズできるかどうかの鍵はそこにある.
学生諸君.
もっともっと欲望を持とう.
欲求を爆発させよう.
そして,その欲望を満たしてくれる目標を立てよう.
世界征服でもいいぞ.
角界進出でもいい.
コイツみたいに釣りで世界一になるのもOKだ.
草食系なんて言わず,猛烈な肉食系でいこう.
「骨ついた肉のやつ」を常に両手にもっているような,血のたぎるような欲望をもて!
さあ! やるぞ! エイエイオー!
・・・なんだこの終わりかた
写真は「武大での恩師」である岩壁先生(現陸上部顧問)との2ショット.のはずが間に変な奴が・・・