リミティングファクター
リミティングファクターの排除,つまり弱い部分を強化することの重要性について少々.
まずは簡単に.
例えば,レッグプレスでは200kgを挙上できる人間が,スクワットになると150kgしか挙上出来ない.
足関節,膝関節,股関節の角度はまったく同じなのに・・・だ.
これは何が原因?
そう.腰背部の強さが足りないのだ.
脚だけで重りを挙上するレッグプレスとは異なり,バーベルは重りを肩で支えて挙上するため,いくら脚が強くても,腰背部が弱ければ挙上することはできない.
例えば,砲丸投.
ベンチプレスで200kgを挙上出来る人間がいる.
しかしベンチプレスにおいてバーベルを支えるのは指先ではなく手根部だ.
その一方,砲丸投において,最終的に最も力が加わるのは中指の付け根だ.
つまり,中指の付け根で発揮される力が弱ければ,いくらベンチプレスが強くても意味がないのだ.
関節が直列に配列された場合,その運動系全体で発揮される力は,最も弱い関節によって制約されてしまう.
それがリミティングファクター.
腹筋と背筋も一緒.
表と裏という考えではなく,ひとつの筒として捉えてほしい.
トイレットペーパーの芯をイメージする.
どこかが水に濡れていて,強度が低下したとする.
押しても,引っ張っても,捻っても,かならず水に濡れて強度が低下している部分から破れる.
つまり,あらゆる方向からの外力・応力に対して強化することが重要.
リミティングファクターを「補って強くする」だから補強だ.