トレーナーチーム勉強会 眞鍋の講演内容 「ぬるま湯」を「熱湯」に

昨日は夜8時からトレーナーチームの勉強会に,講師として招待(?)された.

せっかくなので,暑くてだらけそうな学生達に「喝」をいれることを目的とした.

タイトルは「ぬるま湯を熱湯に」だ.

大きな組織の一員,しかもそれがトレーナーという役割での話となると,ついつい個人は手を抜きがちになる.

誰かがやるから大丈夫だろう.

そんな気持ちが,組織を「ぬるま湯」にしてしまう.

そんなぬるま湯を,皆がガンガンに活動し,沸騰寸前の熱湯にまで温度を上げてやろうというのが目的だ.


前半は,文字通り「喝」を入れる話.

後半は,学生なら誰しもが悩む「監督・コーチ」とのコミュニケーションの取り方.
眞鍋が考えるコミュニケーション術なども交えての話だ.


資料全部を載せるわけにはいかないが,重要な点のみ抜粋する.

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1.成長するために

・偏差値(学生トレーナーの甘え)
たとえば陸上競技部235人.それぞれに競技力を軸とした偏差値がある.
ならばトレーナーの偏差値は? 必要度を軸とした偏差値があるはずでは.
そこの君.君はトレーナーチームで何番手のトレーナーだ?
トレーナーとは競技に携わる人間にもかかわらず,評価されにくい.評価されにくいから,自分がどの位置にいるのか分からなくなる.自分の位置がわからないから,競争できない.つまり戦う必要がないと勘違いしてしまう.戦わない人間に戦う人間の気持ちは分からない.
オンリーワンであるのは当たり前.ナンバーワンの存在を目指してこそ,必要とされるトレーナーに近づけるのではないか?
「自分たちは評価されるためにやっているわけではない」
そんな甘い人間は,私は必要としていない.堂々と「選手に評価される」トレーナーがほしい.


・選手を上回れない そんなトレーナーはいらん
選手は自分の怪我,自分自身の競技についてよく勉強している.それに対して学生トレーナーがついてこれないケースが多い.確かに,トレーナーはあらゆる怪我に関する知識を修めなければならず,選手は自分の怪我だけ知っていればよい.しかし,自分が関わっている選手の怪我くらい理解できていなければ,トレーナーとして必要はない.
これがリハビリや補強になると,もっとタチが悪い.
補強やウェイトトレーニングが,どのように競技力に繋がるか理解していない.トレーナーが指導している現場をみて,明らかに理解できていないまま指導しちている例が見受けられる.熱い気持ちは結構だが,気持ちだけでこられても困る.指導的立場にある人間にとって,知らないことは既に罪だ.


・オレについてこい!
三年生,四年生に質問.悩んでいる後輩に対して,「オレについてこい!」といえる人.いないのか?
選手を上回れないどころか,後輩にさえ示しがついていない.
オレについてこいという事は,言い方を変えると「オレが責任もってやる」ということにもなる.
オレについてこいと言えないなら,当然後輩を叱咤激励もできない.そんな先輩怖くない.舐められてるぞ.
そして後輩に尊敬されない人間は,社会で通用しない.


・100kgを挙げてみろ
選手に敬意を払っているか?
ベンチプレス100kg.クリーン100kg.投擲なら2年生になれば誰でも挙上できる重さである.たいしたことはない.しかし,それを君たち学生トレーナーが「たいしたことないよ」と言えるのか?
たかが100kgだが,それを挙上できるようになるまで,どれだけの苦労を費やさなければならないか理解しているのか?
知識や技術を磨くのが苦手なら,森君にいってSTルームを貸してもらい,ベンチプレス100kgに挑戦してみよ.選手はいやでも君を認める.



2.監督・コーチと仕事するために

・監督・コーチの
 足になるには? 簡単だ.そばで命令を待っていれば良い.
 目になるには? ポリシーと行動原理の理解が必要だ.
 右腕になるには? 深い部分までコピーできるかが重要だ.
 仕事仲間になるには? コピーは必要ない.スペシャリストになれるかだ.
MNBは去年の陸上部トレーナーの卒業生5人に宿題をだした.
「MNBと一緒に仕事ができるようになって,帰ってこい!」
MNBが出来ないことを出来る.MNBとは違う分野のスペシャリストになる.
それで初めて一人前だ.


・他人と仲良くなるには,その人が欲するものを差し出せ
・・・これはあまり大きな声で言えないので,知りたい人はMNBの研究室へどうぞ.


3.番外編 コミュニケート術
1)先手必勝
目上の人に話しかけるときのキッカケをもっと工夫したほうが良い.まあ,眞鍋に限ったことであるが,「○○の○○です」というのはまどろっこしくて好きではない.初対面には好印象だが...
例えば,今日,内藤萌がグラウンドでおれに勉強会の相談を持ちかけた.
彼女は「先生!20秒ください!」とイキナリ突っ込んできた.これ100点だ.
オレがまどろっこしいことが嫌いなのを良く分かっている.


2)わからせる
「わかる」とは相手の脳の内部と結びつけるということ.相手に合わせた例を使用することで,相手の脳と内容を結びつける.


3)奥義は「つなぎ」
「たとえば」・・・,「その結果」・・・,というように,つなぎ言葉の後にはゆっくりと間をとることで,自分にも,相手にも余裕を与えることができる.


4) 「Yes」か「ハイ」
陸上部における返事はイエスかハイしかない.まずは相手に合わせよ.肯定せよ.たとえ否定的な言葉をつかうにせよ,まずは「なるほど」とスタートし,「だったら」とか「でも」に繋げよ.
印象という点において,会話の最初は大きな鍵を握ることを忘れてはいけない.



最後に,「スタッフとチームの未来について話せるか」
MNBがリーダーを決める時に重視している点だ.
未来について話せるということは,現実をよく理解しているということだ.
そんなトレーナーこそがチームには必要だ.

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と,陸上部の監督としての意見を話させていただいた.
(実際にはもっと色々話したが)

不快に思った点もあったかもしれない.
メラメラっと情熱の炎があがったかもしれない

それが目的だ.


4年間は短い.

全力で駆け抜けてくれ.