肉体強化,その前に
選手のトレーニングを見ていると,たまに残念に感じることがある.
「成長していない」のだ.
重要なのは「していない」という点.
言い換えると,「成長しようとしていない」 もしくは「成長しようという気持ちが少ない」である.
様々な要素が絡む競技パフォーマンスならまだしも,たとえば懸垂の回数だとか,ウェイトトレーニングにおける最大挙上重量だとか.
なにも懸垂を連続100回やれとか,クリーンで150kgを挙げろといっているわけではない.
男子学生なら懸垂連続20回,クリーンなら体重の1〜1.25倍は到達してほしい.
肉体を強化するには当然苦痛を伴う.
決意が強ければ強いほど,激しい苦痛に耐えなければならない.
それを支える精神力.
MNBが知っている限り,最も大きなモチベーションの炎を上げるのは「愛」と「怒」である.
彼女が出来たとたん,彼氏ができたとたん,好きな子が目の前にいるとき.
とたんに苦痛を感じなくなる.
激しい怒りを覚えた時. 信じられないほど大きな力が出せる.
こうしたモチベーションをどうやって引き出すのか.
MNBは苦痛を伴うトレーニング前には,必ずそれに耐えられるだけの精神状態を作ろうとする.
もちろん上手くコントロールできない時もあるが,それが出来るようになると,身体は大きな負荷を受け止められるようになり,結果として身体機能は向上する.
そうした覚悟があって,初めて肉体は強化されるのだ.
トレーニングを甘くみてはいけない.