銅メダルにさわりました

北京オリンピック4×100mR銅メダリストの高平選手が,本学に講演しに来てくれました.

正確には,スポーツ戦略論という授業の特別講師.

この授業,非常にすばらしいもので,ジャイアンツの原監督をはじめとして,スポーツ界における著名人を講師として迎え,講演をしてもらう機会が多々あります.

もちろん,こういったすばらしい講師陣を迎えることができるのも,本学の教員がもつコネクションあってこそですが.




さて,高平選手.

実は,大邱イズミル,2度のユニバーシアードでずっと一緒だったため,良く知っています.

初めて会ったのは大学一年生の時ですが,そのころからすでに大物的空気を醸し出しており,その身体的要素からも「この選手はただ者ではない」と周囲から非常に高い評価を得ていた選手です.

アテネからずっと代表のリレーメンバーであり続け,入賞という結果を残してきました.そして,ようやくチャンスをつかんだ銅メダル.流石ですね.



さて,今回高平選手を招いて下さった陸上部MEKW部長,39ヘッドコーチと共に食事へ(その後,講演を頂き,さらに学食でコーヒーで一服).

懐かしい昔話から,北京の裏話まで色々と聞けました.



なかでも頭に残っているのは,「オリンピックのメダルを取ると,自分が変わるのではなく,周りが変わってしまう.それに対する対応をしていると,まるで自分が変えられたようになってしまう.それが怖い.」という言葉でした.


昨今,スポーツに対するメディアの過熱ぶりは見ての通りです.以前の日記でも書いたとおり,ハイリスクローリターン的な扱い.

勝ったときにはひたすら持ち上げる.負けた時はこれでもかと叩く.しかし,それ相応のリスクを抱えるための旨み(?)は少ない.


リレーメンバーが集まった時は,いつも陸上の話というよりは,自分たちの生き方について話すことが多いそうです(笑


トップアスリートが選択できる道は多いようで,まだまだ多岐にわたるものではない.そのことが,こういった台詞や,生き方相談を生むのでしょう.


カレのように,常に同世代の頂点にありつづけ,大きな挫折なく世界へ羽ばたいている選手には,日本陸上界の今後の在り方がかかってしまうため,いやでも期待せざるを得ません.


しかし,選手の本質は競技で結果を残すこと.選手を応援するのであれば,最も結果を残しやすい環境を整えてあげることが,我々指導者の役目です.







ちなみに,高平選手と談笑しているときに,,,色々な人が銅メダルを見せて欲しいと来ました.当然です.


で,面白いのが,さわる人のほぼ全員が「はじめてさわった〜」と同じ言葉を発するということ.

もちろん,ほとんどの人がオリンピックのメダルに何度もさわる機会なんぞないのが当たり前なので,これは当然なのですが,,,

あまりにも,高い確率で「はじめて」を連発してくれるのでおもしろかったです.