監督心得 覚え書き

雨にも負けず
風にも負けず


お気に入りの革靴などない.
気に入る前に磨り減ってしまうから.



ジャージなんて着まわし続けているから,お気に入りを見つける暇もない.
雨にぬれることをいとわなければ,傘だって必要ない.



汗が乾くひまもないくらい歩き続け,
季節の変化は競技場で知る.



廊下は走るためにある.
階段は駆け上がるものと考えている.



自分が強くなる方法なら忘れた.
学生が強くなる方法しか考えていないから.



学生から受ける畏怖の念は,学生に対する愛情の大きさの裏返し.
醜いアヒルの子がたくさんいるということは,それだけ白鳥がいるということだ.



強い競技者は一番である.
だけど,強ければよいというわけではない.
人間として一番大切なのは強いということではない.
それを教えるためには強くなければならない.



金になる仕事ではない.
成功の対価は金ではない.
だからといってプロでないわけではない.
自分の畑に関しては,誰よりもプロフェッショナルでありたいと努力する.



勝ったと思ったことはない.
それでも戦っている.
戦う気持ちさえあれば,前に進めることを知っているから.





そんな監督に私はなりたい