「種」の100m
北京オリンピック、男子100m決勝。
これほど驚愕したレースはありません。
オリンピックという最大、最高の舞台において、予選から決勝まで、ただの一回も全力で走ることなく、余裕で世界記録。
なんか、こう、もはや練習がどうとか、技術がどうとうか、戦術がどうとか、これまで人間が培ってきた「勝つための英知」ともいえるもの全てを超越してしまったような勝ち方でした。
ここまでくると、もはや人間でもないかもしれないと。
Usain Boltという「人間よりも速く走る能力を有した種」が、人類を圧倒したような形。それほどの衝撃でした。
ラスト20mを完全に流し、「オイオイ! こいつら相手にならね〜じゃね〜かよ〜!!」と余裕の世界記録を達成。
通常であれば、オリンピックの決勝とは自分の全てをぶつけるような場であり、4年間の努力の結晶が実るような場であると思っていました。だからこそ、勝者には惜しみない賞賛が与えられると。
しかし、彼は違ったようで、まるで子供の運動会に招待されて参加してしまった大人のように、全力をだすことなく、おどけてゴール。しかも史上最速で。
なんか、こうオリンピックという文化まで跳び越えてしまったような勝ち方でした。
MNB,かなりショックです。
勘違いしてほしくないのだが、MNBは決してUsain Boltを嫌いというわけではない。
もし、彼が「全力で戦う時」が来たとしたら、いったいどれくらいの記録が生まれるのか。
彼が立てた大記録を突破できる人類とはどのようなものなのか。
さすがオリンピック。
今回のレースをみて、陸上競技をやめたくなった人類はどれだけいるのだろうか。