ハート
海外へ武者修行に行ってきた若手選手が帰ってきました.
結果は散々だったものの,よい勉強をしてきた模様.
その証拠に「海外の強い選手達と何が一番違った?」と聞くと
「心です」
と答える.
強い選手は陸上が生活の中心にあって,全てがキッチリしていて曖昧なことがない.
ということでした.
「何が違う?」と聞いたとき,一番がっかりするのは「身体が・・・」という答えです.
確かに,外国の選手に比較すると日本人は小柄.
けれども,それを一番の差としてはいけません.
強い競技者とそうでない競技者の一番の差は,やはり「ハート」でしょう.
ハードなトレーニングをものともしないハート
トレーニングで培った競技力を,試合で100%出し切る精神力
どんな苦境に陥っても,勝つまで立ち上がろうとする根性
やはり,一番大切なのは「熱いハート」です.
さめた練習していて楽しいですか?
さめた競技者をみていて楽しいですか?
陸上競技には熱くなれるだけの魅力があります.
熱くいこうぜ陸上部.
と,熱さついでにもう一つ.
昨日,陸上部の1年生トレーナーとの話しで
「私は部活が始まると競技場にきて競技を見てます.だけど,リコンディショニングルームで机の上で勉強している同期が居ると考えると,(勉強面で)凄く差をつけられてしまっている気持ちになります」
というのがありました
もう,バカかと. 大馬鹿かとたしなめました.
「君は競技場で何をみているんだ?」
「トレーナーにとって,現場での活動こそが一番の勉強ではないのか?」と.
「問題や疑問を自分で見つけ,それを明らかにする.それこそが勉強ではないのか?」と.
「トレーナーがいくら机の上で勉強したって,現場でそれがどれだけ役に立つのか?」と.
例えば,トラックを周回する長距離選手は,なぜ左腕に腕時計を巻いている確立が高いのか.
ブロックの上に片足立ちになってメディシンボールを壁にむかって投げている選手は,何をトレーニングしようとしているのか.
ハンマー投げ選手のシューズ,小指側のアッパーが破けることが多いのはなぜか.
コーチはなぜ選手ごとに異なる言葉使いで指導しているのか.
それらを考え,解決することこそが勉強ではないのか?
勉強とは机のうえで教科書とにらめっこすることだけか?
勘違いしてはいけない.「トレーナー」という役割は,「選手」がいてこそ成立するのだ.
いくらテーピングが早く巻けたとしても,それが役に立つ機会がどれだけあるのだ?
それよりも,選手の状態に応じて,さまざまな,それこそ千の引き出しのなかから最適な手法を選択できることのほうが大事ではないか?
テープを早く巻けると,トレーナーからは尊敬されるかもしれないが,選手に応じたテーピングができないと選手の役には立たないぞ.
君達は何か勘違いをしていないか?
一番大事なものは何だ!