08年度関東インカレ終了 2部優勝で得たもの

08年度の関東インカレが終了しました.

結果は二部での総合優勝.内容も見事なものでした.
詳しくはこちらでどうぞ.

チームとして最重要視している大会です.
そこには,その年のチーム力そのものが形として現れます.
今年は,今後が非常にワクワクするような内容でした.


第一に,若手が非常に頑張ったこと.自己ベスト多数,1部の記録と比較しても決勝に残れる記録もちらほらと.一昨年のポイントゲッターは強力な4年生達だったため,優勝した時点で翌年の苦しい戦いが予想できてしまいましたから.
総合得点は一昨年の157点に届かなかった(今年は141点)ものの,これにはあるカラクリがあります.
一昨年までは,それほど目立たなかった「大学院生」の存在です.
今年,ウチが表彰台に上がった種目で優勝できなかった(つまり2位,3位を摂った種目)もののうち,6種目は学生トップでした.
つまり,6種目において大学院生に優勝を阻まれたということ.
それぞれの選手達が確実に1点アップするということを考えると,157点以上の得点に達していたということは容易に想像がつきます.

この大学院問題.来年は3部制になるなど,さまざまな波紋を呼んでいるようです.
たしかに4年間かけて頑張ってきたのに,強い院生がポンっと入ってきたせいで優勝できなかった...という気持ちはわかります.
ただ,大学院大学などという言葉が生まれている社会の現状を考えると,院生を排除するのはどうかと思います.
「たとえ経験豊富な大学院生が居ても,それを押しのけて優勝できてこそ」という気持ちです.
学生陸上界のレベルを上げるという大きな視点からすると,大学院生競技者の存在はいろいろな意味で重要ですから.


第二に,強固な組織の確立が挙げられます.主務・データバンクとはいえ学生です.当然,ミスも多く,連携不足も否めない点があります.しかし,年をおうごとにこれらは減少し,いままでは「頑張ってこなした業務」が「当たり前の業務」に変わってきています.これは歴代主務の蓄積された苦労を,生かすことができているということでしょう.
関カレの最中,ホテルで話しました.「竹内優晃という天才がひとりいれば,なんとか運営は出来る.しかし,よりよい運営をするには,一人の天才を支える多くの努力が必要になる.そして,最も重要なのは,その努力の結晶を次に伝えることだ」と.
カレならやってくれるでしょう.そしてカレを支えた多くの努力たちも.


第三は,データバンク委員の活躍.2006年に始まったプロジェクト「関東インカレ最速更新」.チームの姿を日本中,世界中に伝えるこのプロジェクトは,MNBとYDI,そして当時のデータバンク委員長で立ち上げたものです.武大の選手の競技が終了するたびに,掲示板に結果を書き込み,さらに撮影した写真をHPにアップする.それも即座に.
当然,屋外でネット環境を構築する必要があるので,ウィルコムにも加入.数台のPCを駆使し,10台のデジカメ,6台のビデオカメラで撮影された映像をアップしていく.
時には発電機を競技場に持ち込んだり(怒られたので今はやってません),車のシガーソケットを電源にしたりという苦労もしてきました.

この圧倒的最速更新の目的は,もちろん部員の活躍をご両親,OB・OGの皆様に伝えることが第一なのですが,第二には「部員の教育」という目的もあります.武大の陸上部員は,おそらく大学に入学した時点ではお世辞にも「テストの成績が良い学生」ではありません.東大の連中と比べるまでもなく,MNBの母校と比較しても,机上のテストで計る成績の良さでは圧倒的に劣るでしょう.しかし,それは彼らが勉強に興味をもっていなかっただけ.もしくは,「好きなこと以外に興味を持たせる指導」を受けていなかっただけです.
このHPをアップしていくという作業は,じつはかなり多くの能力を必要とするものです.そして,それを通して「社会に出てから求められる頭の良さ」「自らトラブルを見つけ,それを克服する人間力」を身につけていきます.
いまや,MNBやYDIといった教職員は「勝手にできあがっていくHPをチェックするだけ」という形です.
Youtubeに掲載するというアイデア,その実施,何から何まで全て学生が実施しています.
加えて驚きだったのが,関カレが終わって家に帰ってからもまだアップを続けるという,その根性(笑
さらに,次の日もアップを続けるという,そのしつこさ(笑
もはや執念です.



企業の皆様.ウチの部員,1名どうですか?
一般社会では大して役に立たないテストの成績は良くないかもしれませんが,人間力は並ではありませんよ(笑


第四は,やはり応援でしょう.応援にはチーム全体としての「仲間に対する思いやり,陸上に対する情熱」が出てくると思います.武大の応援は破壊力抜群です.しかし,成長がみられたのは,破壊力だけではありません.
チームとして成熟してきていることです.選手たちは二部での総合優勝にも一切浮かれた様子は無く,次の目標をしっかりと見据えていました.
お祭り騒ぎではなく,本当にチームのことを,選手のことを考えた応援ができていたという点には,最高にすばらしいと思います.


これで我々はようやくスタートラインにつけました.


まずは,応援に回ってくれていた選手達が,県選手権などで各自の目標を達成すること.そして,この勢いを秋の日本インカレにぶつけること.
そして,来年の関東インカレ1部で大暴れすること.

武大陸上部はすでにスタートをきっています.