茶髪にみる学生スタンダード

正月休みや夏休みなどの長期間における休み明けで必ず出現するのが「突発性茶髪症候群」である.

休み前までは真っ黒だった髪の毛が,突如茶色へと変色する.そして休みが明けると同時に(陸上部員は),黒く染め直してくる.

世の中を見回すと,茶髪はすでに市民権を獲得しており(特に女性),企業に勤める社会人でも見かけることが多くなった.

しかし,MNBは未だ「極端な」茶髪には抵抗がある.

いくら市民権を得たとはしても,やはり世間一般的に,公の場における茶髪はマズく,良い印象を与えにくいことは事実である.

当然,流行に敏感な学生達もこうした事情はわきまえており,「就職面接」や「教育実習」のように,「他人に評価される場」に赴く場合,非常に高い確率で黒髪へと変身する.


こういった学生諸君に「もし,俺が茶髪にしたらどうかな?」と聞くと,「いやー,それはナイですよ」

学生は大学で過ごす日常においては「学生(部活動)スタンダード」であり,実家,自宅,地元などでは「自宅スタンダード」に移り変わるのである(MNBの師匠,大山圭悟氏の考えを転用させていただきました).

こうした学生スタンダードと,我々の中に存在する社会人スタンダードとの差に目をむけると非常におもしろく,そこにこそ,教育方針の正解が潜んでいるように思える.
しかし,教育者のように「立場的に上」という状態で学生と接してしまうと,往々にして学生スタンダードの理解が乏しくなってしまうのも事実.

こうしたスタンダードを力づくで変更させたりすると,当然ながら軋轢が生じ,学生の行動はスタンダードならぬ,ただの上塗り,付け焼き刃となってしまう.
例えば,陸上部の部長には挨拶できるけど,授業でしかお世話になっていない先生には挨拶ができないなど.

彼らのスタンダードはどの状態にあるのか,そして自分のスタンダードとの差はどれくらいか.その妥協点を探ることが我々指導者に必要なのは言うまでもないだろう.