大阪GP

MNB2006-05-07

大阪グランプリが終了.

さすが世界グランプリである.スーパー陸上とは異なり,選手の顔つきが違う.
当然ながら日本人選手たちも「本気」で記録を狙ってきている.
そういう意味では,「勝負」にこだわらなければならない日本選手権とは,また違った厳しさがある大会なのだ.特に,「世界に挑もうとしている我が日本人達」にとって,世界トップレベルの競技者達と肩を並べて戦えるということは,この先からの競技人生において計り知れない意味を持つだろう.

今回は池田(LJ)小林(1500m)の日本記録が誕生.さらに男女400m,男子400mH,男子棒高跳,男子100m,男子200mにおいてすばらしい記録が生まれ,なかには世界選手権A標準を大きく上回る快記録も誕生.

数々の大会に関わり,色々な選手達を見てきたが,今回の大会も非常に勉強になるものであった.世界レベルのスピード,動きを目の当たりにできたことは,トレーナー,そしてコーチとして生きるMNBにとって大きな糧となる.加えて競技を終了した後だからこそ聞ける選手達の生の声と記録を出した時の感覚も同様だ.

選手のコンディショニングを手助けしながら,選手達に勉強させてもらっている時に毎回感じることとして,「トレーナーとコーチの垣根というものは果たして存在するのだろうか」というものがある.
目的や必要とされるスキルこそ違えど,陸上競技に携わる人間として一流を目指すならば,その間には垣根は存在しないのではないだろうか?

そして,今大会で最も感銘を受けたのが,ある選手のインタビューであった.
「たとえ日本記録に限りなく近い記録を出そうとも,世界にはもっともっと上のレベルの競技者がいる.自分はそれに挑んでいきたい」という内容であった.
彼の目には自分より速い人間しか映っていない.それは一緒に練習をしている仲間や,同じ種目の競技者達には分からないかもしれない.かつて陸上競技界を席巻していた黒人選手たちがそうであったようにだ.

彼らに認められるには,自分の力を誇示するしかない.シーズンを離れると,こういった本来ならば当たり前として存在する「戦いの掟」を忘れがちになる.
競技者として牙を磨くことの大切さを,コーチとして再認識できた.

そして一夜明けて,今度は会議.会議.会議.
当然,来年の大阪世界選手権へ向けての話である.
午前中にメディカル,午後にトレーナーの会議.
色々と,色々と,本当に色々なことについて,討議,決議,問題提起してきた.
あまりに多くのことを決定していかなければならないので,少々頭はパンク気味.
うーん.大丈夫だろうか.
組織で動くというのは本当に大変なんだなぁ.
結局,全体で6時間以上かけて会議は終了.
時間的には非常に長いはずなのだが,どれも重要な懸案であったため,それほど時間はかかった感覚はない.

が,かなりの疲労感.当然か.

今は飛行機の中.
悪天候のため,かなり揺れている.疲れきった心身にはゆりかごのようでもある.

さ.明日からもコラーゲン飲んで頑張ろ.

明日からの二週間.
MNBが生きた証のひとつを作る二週間.
国際武道大学陸上競技部全部員の最高の笑顔を見るための二週間.
正念場である.