いかに勝手に上達してもらうか
指導者が一番最初に心がけるべきことは何か.
指導理念,指導方法,コンテンツの内容などの吟味,,,,など色々あろうが,最初に指導対象者と顔を合わせたときにおいて,最も重要なのは「信頼性」と「共感性」である.と思う.
どんなに指導内容が素晴らしくとも,信頼されていなかったら意味がない.
どんなにコンテンツが充実していても,共感されなければ選択はされない.
裏を返せば,指導の入り口において最も重要なのは,その中身ではなく,「よし.この指導者に従って練習するぞ!!」というモチベーションを喚起さえることができるかということだ.
指導を受ける側,受講生は,その指導内容を評価しながらも,同時に,その指導者についても評価をしている.
その指導者が信頼に値するものであれば,その指導内容に対する信頼性はより高まり,同時にモチベーションも高まる.
結果,その指導者からの指導が終了した後,いわゆる自主練習を行う可能性が高まり,結果として「その指導法に従った練習量」が飛躍的に増える.
当然,上達するのも早くなる.
このことを踏まえれば,指導内容が多少なりとも難があろうとも,最初の段階で大きな信頼を得ることができれば,受講生は十分な上達が見込めるということ.
言うまでも無く,その指導内容がよければ飛躍的に上達する.
上達するにつれ,その指導者に対する信頼はさらに高まり,その後の指導における効率も上昇する.それをうらやむ周囲の人間も巻き込み,いつしか競争が生まれ,上達の速度はさらに高まる.
激しい競争下での十分な練習量のなかで生じるトレーニング内容の勘違いや,技術における疑問点が生じる.そして指導者はその問題を解決してあげる,ヒントを出してあげることで,上達はさらに促進する.
いわゆる正のスパイラルの開始だ.
「いかに上達させるか」を考えるのも大切.
そして「いかに勝手に上達してもらうか」を考えるのはもっと大切.