0.43秒のための3年間
陸上競技研究に投稿するために,増野元太の4年間を振り返って,そのトレーニング経歴や競技生活についてまとめている.
そのなかで,インターハイを制覇した高校時代のハードリング連続写真と,大学3年次に日本選手権を制覇したときのハードリング連続写真が手に入ったので,その差異を検証してみる.
多分,素人目からすると,おどろくほど変化がないように見える.と思う.
しかし,櫻井コーチと取り組んできたポイント(詳細は紙面にて)をよく観察すると,その違いが分かる.
この僅かな違いに対して3年間取り組み,その成果は0.43秒.
我々は僅か1秒にも満たない成果を上げるために,これほどの努力をしてきたのかと感慨深く文章を書いている次第.
満足いく仕事ができて帰宅後,趣味であるゴルフの一般紙を見ていて気づいたこと.
1月号のとある雑誌,なんとアマチュアゴルファーと世界ランク1位の選手のスイング動作について連続写真で比較しているではないか.
陸上と比較するのはナンセンスかもしれないが,おそらくボルトとMNBを比較すること以上に大きな差異がある者同士を比較し,その違いについて色々と書いてある.
MNB研究室に所属しているタケルプロに聞いてみたところ,ゴルフ界では別段珍しいことではないとのこと.
大変に興味深い.面白い. いや,その内容ではなく,その姿勢である.
ゴルフに人生を捧げてきているようなプロと,一週間のうち一回すらコースラウンドが出来ていないアマチュアを比較する文化がゴルフにはあるようだ.
そして,多くのゴルフを楽しむ人たちが,その内容をみて「ふんふん.なるほど」となる.そうだ.
また,他のページをみていると,アマチュア男子ゴルファーは飛距離が同じくらいの女子プロゴルファーのフォームをマネすると良いともあった.これも興味深い.女性とはいえ,プロである.当然練習量は異なる上,一般的に言われている男女の違い,なにより柔軟性などは大きく異なるはず.でも,やっぱりその内容をみて「ふんふん.なるほど」となる.そうだ.
そういう文化がゴルフにはあるのだなという,面白い発見だった.
でも,確かに比較すると面白いよね.マネするかどうかは別として.