増野元太 紡いだ糸の先

2014年 第98回日本陸上競技選手権大会

男子110mHにおいて,武大陸上部.念願の日本一が生まれました.

体育学科3年 増野元太が13"58(+0.4)で王者矢澤航(デサントTC)を0.1秒差で抑えて優勝.

動画はこちら
http://japanathletics.tv/98jch/track/3-8-1
https://www.youtube.com/watch?v=75XFC0hfdEY




これまで,陸上部に現役で在籍している選手が「日本選手権」で優勝したことはありませんでした.

もちろん,学生日本一である日本インカレを制した選手は何人もいるし,OBとして日本一に輝いた選手もいました.

けれども,現役の学生ではありません.

それを達成したのは,やはり伝統の種目110mHでした.




もちろん,すばらしいのは増野選手であり,それを指導してきた櫻井コーチもすばらしい.

この二人は何よりもまず讃えられるべきでしょう.

しかし,忘れてはならないのは,こうした勝利というものは,これまで紡がれてきた糸の先にあるということです.

増野にハードルを始めるキカッケを与えてくれた恩師,高校チャンピオンにまで育ててくれた恩師.

選手生活を支えてくれている家族,刺激を与えてくれた兄.そしてしのぎを削り合って成長させてくれたライバル.

本当に数多くの人たちが関わっていくなかで,多くの人間の手によって紡がれてきた糸があって,それが作品として仕上がったもののひとつが今回の勝利でした.

ちなみに,増野元太の母校は函館大有斗.この学校からは,武大陸上部を背負ってきた先輩が数多くいます.MNBが十種競技者として指導してきた大谷大志もその一人.こうした先輩達の活躍も,紡がれた糸の一つです.



増野が「ただハードルが速い」というだけの選手ならば,これだけ多くの人たちから祝福は受けないでしょう.

さらにいえば,あの0.1秒を勝ち取ることもできなかったでしょう.

多くの人間に応援される,感動を与える選手になってほしい.そんな理念があるからこそアスリートは輝く.



日本選手権での優勝後,アジア大会の日本代表にも内定しました.

武大としては久しぶりの「総合国際大会」への出場です.

さあ,次はアジアで感動を.そしていつしか世界で戦う選手へと,足を進めてほしいと思います.



武想全進!