知らなくて当然なことを知らない
さてさて,引き続きラストメモリアルゲームズ国立ネタ.
我々が関わっている陸上競技というものには「招集(コール)」という制度が存在する.
これはスタート前に行う出欠確認みたいなものであり,種目によって時間は異なるが,おおよそスタートの30分前には大会主催者が定めた招集所(Roll Call)にてゼッケン番号とレーンや試技順を確認するシステムである.
そこで欠場や急遽生じた番組編成変更などを知らせたり,知らされたりして,トラック競技の場合は腰ゼッケンを受け取り,いよいよレースが開始されるスタートラインへ向かう.
長年,陸上競技に携わっていると,この不思議かつ合理的なシステムが染みついてしまい,たとえ陸上競技を経験していなくとも,当然プログラムを見れば解るだろう.とタカをくくってしまった.
これがいけなかった.
一般の人からすれば,胸にゼッケンをつけてるのだから,なぜ腰にもつけなきゃいけないのか解らない人もいるだろうし,とりあえずつけておけば,ひらひらなびくジャージの裾などで腰ゼッケンが見えなくても問題ないだろうと思ってしまう.
どっち側につけるかもよく解らないしね.
さらに言えば,まあ「数分遅れてもだいたい合っていればいいでしょ」というピクニックや飲み会のスタート的なイメージをもたれるのも当然かと.
たかだか数分だしね.
ましてや1000mなんて,どこがスタートで何周すれば良いかなんかわかるワケなし.
とりあえずみんなが集まっているところからスタートして,みんながやめている所がゴール...かな?
その世界では当たり前でも,一歩出てしまえば摩訶不思議.
プレゼンテーションで行うときに気をつける当たり前の事ですが,ついつい忘れてしまいがち.
「知らなくて当然なことを知らない」と無用な勘違いを産んでしまい,それは負の感情を引き起こしやすい.
わかりやすく説明していないコチラに落ち度があっても,その根源に気づいていない.
そして気づこうとしない,いや,気づいているけど認めたくないという気持ちが傲慢な態度を作り,決裂を決定的にしてしまう.
だめなプレゼンによくある例です.
また一つ勉強になりましたね.
国立の場合,腰ゼッケンは右側です!