ファール病(癖)
走り幅跳びでファール病(癖)というものがある,,と思う.
実際に走り幅跳びをするとわかるのだが,数十メートルも全力に近い速度で助走した後,わずか20cmの踏み切り板上で踏み切るというのは至難の業だ.少なくともMNBにとってはそうだった.
昨日,北海道で実施された第26回南部忠平記念陸上競技大会にて,男子走り幅跳びで武大は3人の入賞者を輩出した.
高田貴明 7m65(+1.6) 3位
金子航太 7m35(-0.2) 5位
橋本尚弥 7m02(-0.5) 7位
なかでも3位だった高田は2年生ながら,自己ベスト7m70をもっているエース格であり,今回の記録はセカンド記録でもあった.
しかし,関東インカレや個人選手権,その他の試合でも「数cmのファウルながら8m近く跳んだ」という実績がある.もちろん,これはファウルだから,本人もコーチも監督も自慢するつもりは毛頭ない.
問題なのは,この「ファールだったけど大記録」というのは走り幅跳び,三段跳び選手なら珍しくないということ.
そして,さらにいるのが「ファウルなら跳べるけど,公認記録はそうでもない」という選手.
これがいわゆるファール病(癖).
武大のなかでも,過去に数名こうした選手がいた.
おそらく,助走してきて次第に踏み切り板が近づいてきて,「いつ踏み切るの!? 今でしょ!!!」というタイミングがズレているのだろう.
だから,最も遠くに跳ぶために自分に適した跳躍をすると,そもそもそれがズレているからファール.
で,ファールしないように気をつけると,自分の跳躍からすこしズレてしまうから,記録が伸びない.
走り幅跳び選手はこうしたジレンマと戦っている.
でも,これを克服しない限りは一流になれない.
MNBの妻は,もと七種競技の日本記録保持者で,走り幅跳びも日本選手権で入賞するレベルにあった
一流かどうかはともかく,彼女は足を合わせるのが抜群に上手だった.
ここぞというときには絶対にファールをしない.
確実に記録を残しつつ,記録を狙いにいっても上手く足を合わせることができていた.
現役時代の彼女に聞いたところ,こともなげに「助走の途中で視界を通過する中間マークや,景色,踏み切り板が近づいてくる速度などを統合すれば,なんとなく踏み切り位置が解ってしまう」と答えが返ってきた.
これにはマイッタ.
残念ながらMNBにはそうした能力は無かった,いや,磨ききれなかったが,ウチの選手達がそうでは困る.
なんとかしてこのファール癖を取り除くべく練習方法を模索している.
武大ジャンプチームがファールをせずに大記録を連発しはじめたら,練習方法を見つけたと思ってほしい.
金子コーチ,頼んだ(笑