我々はユニフォームと勝負しているわけではない
MNBが非常勤講師を務めている大学,その陸上部員が「○○大学は強いから〜」と言っていた.
もちろん,武大にもそういう言葉を発する学生はいるだろう.
でもちょっとまって.
こと陸上競技において「○○大学は強い」というのはおかしくないか?
特定の選手を示して「○○選手は強い」というのはまだ解る.
でも,大学が強いというのはどういうことか.
そんなのはただの思いこみであることに気づいていないんじゃないか?
というよりも,「○○大学は強いから,ウチは負けても仕方ない」って言い訳したいだけじゃないんか?
そんなんだから,相手のユニフォームをみたとたん,「強そうだ」とかってに相手を持ち上げてしまうんじゃないか?
大学として,チームとしてのポリシーが明確にあって,チームカラーが明確にあって,もちろん所属する選手の全てがそのチームカラーを理解していて,強い結束があって,個々がもつ力以上のものをそれぞれが出し合う.
そんなチームだったら確かに「強い」と感じる.
でも,入学時から記録が伸びていない.
けれども,入学時点の記録は,すでにトップレベルの記録.
ボチボチ,それを発揮するだけで簡単に入賞できる.
そんな選手を「強い」と表現したくない.
もちろん,そのなかにも「強さ」を持っている選手はたくさんいる.
でも,それは戦ってみないと解らないじゃないか.
勝負する前からそんなことを気にしてどうする.
いや,それは勝負した後だって一緒だ.
人間は賢い.だから自分の身を守るために言い訳をする.
大人になるほど,それは上手くなる.
負けた相手を持ち上げることで,自分の弱さを隠そうとする.
戦ったこともない相手を過大評価することで,負けたときの言い訳を作っておく.
そんなものは心にしまっておけ.
言葉にするもんじゃない.
我々はユニフォームと勝負しているわけではない.
その中身,生身の人間と勝負しているんだ.