その練習,大丈夫か?
練習には流れがある.
その一日のなかでの流れ,一週間での流れ,二週間,一月,半期,一年.....
こうした流れのなかで,最重要視するべき試合を決めて,それにむけて流れを作っていく.
古くはマトヴェイエフ氏が体系化したピリオダイゼーション的な考えを元に,コーチたちは練習計画を作成していると思う.
しかし,その一方で,日々の練習は極めて近視眼的,マクロ的な考えが優先されることも少なくない.
つまり,一ヶ月の大きな流れのなかでは,今週はスピードを上げる時だが,天候が荒れてしまい,寒い.
かといって走らないのももったいないので,今日はスピードレベルを抑えて,本数を多めにいこう.
特に四季がある日本では珍しくない光景かと.
時には選手のモチベーションを上げるために,各自が好きな練習を採用するときもあれば,集団で行動することもある.
武大陸上部は総勢250名規模の集団であり,各ブロックに分かれて行動しているため,なかなか最適な練習を組むのが難しい.
時には完全フリーという練習日ももちろんある.
いや,種目特性やパート,ブロックによっては,選手各自での練習を多めに採用することも珍しくない.
しかし,ここで問題なのは「本当に自分自身に最適な練習ができているかどうか?」である.
MNB自身,指導者としてまだまだ未熟であるが,それでも陸上競技に高校3年,大学4年,大学院5年,武大にきて6年.合計18年関わってきたが,それでも最適な練習ってなんだ? と迷う.
この選手に対して,本当にこれが最適,最高の練習なのか?
それは,結果が教えてくれるものであり,即座に答えはでない.
時には思いがけないほどの効果がでたり,時には全く効果がでなかったり.
本当に難しい.まだまだだ.
これは選手にも同じことが言えると思う.
MNBが現役のときもそうだったが,今の自分に最適な練習を選ぶのは比較的容易かもしれないが,一週間先を見据えて選ぶのは簡単ではない.
そして一ヶ月先を見据えると困惑し,シーズンインを見据えると恐怖を覚える.
でも,それくらい考えて,今日のフリーを過ごしている選手ならば,多分大きな失敗はないだろう.
反対に,安易に「今日は雨だから」とか「今日は体調が良いから」という理由だけで,フリーの時のメニューを決めている選手は,バクチで競技に挑んでいるようなものだ.
良い結果がでたとしても,たまたま,偶然に過ぎない可能性がある.
必然的に,何月何日に,これくらいの記録を出す.
そして,その次の試合で自己ベストを出す.
そうした確固たる夢と,目標と,行動目標があってこそ,自分では想像もできなかった大きな成果が手に入るのではないか?
一所懸命考えても,動けなくなるまで走っても,めまいがするほど追い込んでも,結果がでないこともあるかもしれない.
けれども,バクチはいけないと思う.
確信をもった練習を積み上げてこそ,完璧な未来が待っている.