Athlete 1st

さて,年末の解散式が終わって1日経ちます.

解散式で部員に伝えた言葉.



一つ.他人様に迷惑をかけない.
「なにをへりくだった事を」と思うかもしれないが,現実には非常に重要なこと.
我々体育人,鍛え上げられたアスリートは「ただ立っているだけ」で目立つものだ.
その鍛え上げられた肉体.
日々のトレーニングによって培われた精神.
そして,それらを象徴する引き締まった表情.
どれも草食系男子などと表現されるような,軟弱な人間のそれではない.
だからこそ,他人は「ちょっと,怖い」と思う.
場合によっては「こいつ,生意気だな」と思う.
君たちが培った肉体と精神は,他人を圧倒するためのものではない.
自分自身を満足させ、他人を感動させ,社会を豊かにするためのものだ.
決して,他人を圧倒し,弱気ものをくじき,威張るためのものではない.
謙虚に,真摯に.
野獣である必要はグラウンドの中だけだ.
グラウンドの外では紳士であれ.
ヒーロであれ.



一つ.親孝行をせよ
君の肉体は,君の精神は誰が作ってくれたものか.
自分自身のたゆまぬトレーニングによるものか.
恩師からの言葉か.
違う.
まず君自身を産み,育ててくれたご両親に限りない感謝をせよ.
強くなるトレーニングに休みなどない.
ご両親に感謝をし,恩返し,親孝行をせよ.
強い人間は優しい.
ご両親に優しくできる人間は,限りなく強くなれる.
照れるな.はにかむな.
正々堂々と,まっすぐに親孝行をせよ.




一つ.恩師を大切にせよ.
まだまだ未熟な君を導いてくれた恩師に感謝せよ.
もし,恩師が陸上競技を専門とせず,試合にも顔を出さず,ただ名前だけの顧問だったとしたら.

名前だけの顧問などはいない.
たとえ,日々の練習に君の姿をみずとも,試合においては常に君の名前は確認している.
君の勝敗には誰よりも敏感になっている.

君は,君がかかわったすべての人間,恩師のおかげでできている.
尊敬できる恩師がいてもいい.
尊敬できない恩師がいてもいい.

たとえどんな人であれ,その人が居なければ,今の君もいないかもしれないのだ.
恩師とは恩のある師匠とかく.
恩が有るかどうか.それは君が判断するものではない.
人生を生きていくうちにわかるものだ.
関わってくれた.育ててくれた全ての恩師に感謝せよ.






そして,もう一つ.
Athlete 1stであれ.




先日,MNBの恩師から頂いた言葉だ.




元々は指導方針や,指導者としてのありかたについて述べた言葉だと理解している.

しかし,今回の解散式では,あえて競技者にむかって伝えた.




解散期間中.

息子としての自分.

友達としての自分.

成人式の主役としての自分.


色々な自分があるだろう.



しかし,その自分のなかに「Athlete」を第一においてみてほしい.



そういう願いを込めて Athlete 1st という言葉を送った.



今,自分自身が掲げている夢,目標.

それに向かって専念するために,邁進するために.




人生80年.

そのなかのたった1年.



この2012年だけはAthlete 1stでもいいんじゃないか?



それによって得られるものを楽しみにし,活かすための自分を作り上げよう.








2011年12月30日

国際武道大学陸上競技部監督 眞鍋芳明

解散式において陸上部員へ送る言葉

「Athlete 1st」






みなさん.よいお年を.