知識の価値は変わらないが「利用方法」の価値が高くなった

バイオメカニクスの授業準備をしていて感じ,考えたこと.

「今の学生に何を身につけさせるか」




インターネットの普及により,知識が簡単に手に入るようになった.

Yahooやgoogle先生を外部脳として活用できる環境下であれば,知識を詰め込む必要はない.

場合によっては自分が持っている既存の知識よりも,新しく精度の高い知識として取り込むことができる.



現代社会において重要なのは,むしろ取り込んだ知識を頭のなかで抽象化・具体化し,それを自分自身が関わっている事象に応用できる能力だろう.

例えば,運動方程式を正確に記述,計算ができるかどうかは確かに重要だが,それ以上に「運動方程式をどのように利用できるか」が重要であるということ.

また,なぜ円盤投げは回転半径という概念が重要となるのだろう ということについて力学的な法則を頼りに説明できる能力が重要であるということ.




とは良いながら,基礎学力をおろそかにしてしまうと,自らの武器である「自分で得た知識」が少なくなってしまうため,応用のスピードが遅くなってしまう.

ここで言っているのは,あくまで教育指導における考え方である.

知識をため込むだけではなく,それを応用し,具現化できる能力,発想こそが重要であるといっているのだ.




今も昔も知識の価値そのものは変わらないはずだ.

その「利用方法の価値」が高くなったと言うべきだろう.

・・・こんなことを書いていると,本物の知識人から怒られそうだな.