タフな人間こそが難局を打開する
勝てそうだからやる
負けそうだからやめておく
そんなんじゃないんだよ.
勝負事に対しては「挑む気持ち」を常にもっていなきゃダメだ.
MNBが専門としていた十種競技では,そうした精神が常に問われる.
十種競技における記録というのは,もちろん十種目の記録を合計した総合得点だ.
ぶっちゃけ,初日が終わった時点で,遅くとも8種目目である棒高跳び終了時点で,はやければ4種目目である走高跳終了時点で「自己ベストが出そうかどうか」予測できてしまう.
そんなこと考えながらやってはダメだというのはごもっともだが,感じてしまうのだから仕方がない.
そして十種競技者は往々にして「自己ベストは出そうにない,順位もイマイチ.でも種目はまだ残っている」という状況に追い込まれることがある.
そんな時こそ,その選手の性根がでる.
たとえ総合での自己ベストがでなくとも,たとえ入賞にはほど遠い順位でも,それでも今持っている力を全て出し切って1500mをゴールする.
そういう気持ちが何よりも大切だ.
それこそが「断固たる決意」だと思う.
ちょっと記録が悪いくらいで,ちょっと思い通りの順位がとれないくらいで「諦めてしまう」選手が多い.
最後の,最も苦しい1500mで妥協してしまう選手が多い.
それじゃあダメなんだよ.
それじゃあ十種競技に負けてるよ.
多分そんな選手は,競技を引退した後の仕事などでも同様の行動パターンを示すのだろう.
「多分,上司にダメだしされるから」
「いまから頑張っても,うまくいかなさそうだから」
そういう人間には「タフさ」が足りない.
大きな困難に直面したとき,タフな人間のみがそれを乗り越えられるのは周知の事実だ.
良いじゃないか.ベストが出なくても
仕方ないじゃないか,順位が低くても.
そんな時こそ「タフさ」に磨きをかける時だと信じ,頑張ってみよう.