練習の流れとは
つまるところ,練習に関しても個人で実施される.
もちろん,チームの練習,合同メニューはあるのだが,それに至るウォーミングアップは,やはり個人で行う.
昨日,選手兼コーチのENDと,今後の練習の流れについて確認.
彼の競技パフォーマンスは,間違いなく国内では一流に値するものだ.
ENDにあこがれて,そしてENDと共に練習をしたくて武大に入学してくる選手は,毎年後を絶たない.
ちなみに,MNBはハンマー投げの素人だ.
ずっと見てきたENDの動きの癖や,そのイメージなどはわかる.
だが,具体的にドコをドウすれば,何がどうなるかは分からないし,その引き出しも少ない.
しかし,陸上競技に対してはプロだ.
身体を操作し,もっとも効率のよい動きを導き出すという手順は,十種競技も400mも,ハードルもやり投げも,そしてハンマー投げも一緒だ.
昨日の練習.ENDと練習の組み立て方について話し合った.
彼のような社会人競技者は,十分な練習時間がないのが普通だ.
少ない練習時間をどうやって有効につかうか.
彼は,全力での投げ,そして投げによって培われる筋力.それを選んだ.
しかし,それだけではダメなのだ.
スイングをし,4回のターンを行い,振り切る.
極めて大雑把にハンマー投げの動作を述べるとこうなる.
この複雑な動きを,常に全力で行う.
それでは「上手くいかなかったとき」のバラツキが大きすぎる.
結果,「上手くいった練習」の頻度も低下する.
社会人競技者に重要なのは,「上手くいかなかった時」のバラツキを押さえること.
そのためには練習の流れを自分で構築しなければならない.
彼の場合,技術の鍵を握るのが左脚の股関節になる.
その柔軟性の確保が第一.そのためにストレッチとウェイトトレーニング.
そして,スイング.早い段階で積極的に振り出すことが課題.力積は振る距離で稼ぐ.
ターンはいかに腰を落とせるかだ.ローからハイへ向けて伸び上がる膝を制御する.
2ターン目までは上手くいく.問題は3ターン以降だ.
うまくいけばベタ足現象がでてくる.ネバッこく地面を捉え続けることができれば,振り切ることができる.
一流競技者になれば,かならず技術的課題が浮き彫りになる.
その課題を順番に確認,身体をアジャストしていくことが練習.
明日からのENDの練習は,より明確な目的をもったものへ変化する.
社会人2年目.競技者はまだまだ成長する.
夏の解散期間中.
武大陸上部は各自で練習.
自分で練習の流れを確認し,構築するのに良い機会だ.
この日記を読み,自分と,そして自分の練習目的と向かい合ってほしい.