まずは「全力」をだす練習が君たちには必要だ.
試合になったとき「だけ」,叫び声が出る.
試合になったとき「だけ」,アップが入念になる.
試合になったとき「だけ」,朝食を食べる.
試合になったとき「だけ」,まなざしが真剣になる.
試合になったとき「だけ」・・・・・・・・・
となっていないだろうか?
陸上競技はシーズン制である.
長い冬期練習期間を経て,春にシーズンインする.
冬期ボケしている人間,または「試合に弱い人間」ほど,「試合になったときだけ・・・」という現象が生じる.
それはバクチそのものである.
MNBは「自分がコレと決めた試合」では,当たり前のように自己ベストを出して来た.
現役時代に大事にしていた心がけ.
たとえ日常の練習でも,「今日は絶対に自己ベストを出す」と決めた時は,何がなんでもベストを出す.
ということ.
ウチの多くの選手は,「ベストは試合で出すもの」と捉えている者が多いように思う.
試合に完全にピークを合わせる自信がある,経験ゆたかなベテラン選手ならまだしも,たかだか大学生競技者にそんなことはできない.
もし,君が「自分は出来る」と思っているなら,たいした思い違いである.
たった4年間.
たとえば関東インカレの最終選考.
当然,4年間で4回しかない.
その,1年を通してたった1日しかない貴重な日に.
「代表選手」に選ばれる可能性を試される日に,
きみは「確実」に自己ベストをだすことができるのか?
その4回.まちがいなく気候も異なる. 雨も降るし,真夏のような気候の時もある.
朝の一発目に競技があるときもあれば,時間が押して遅れるときもある.
そうだ.ここぞというときに「最高の自分を引き出す」ために必要なのは経験なのだ.
かといって,試合数は限られている.
だから「練習」があるのだ.
練習を「身体を鍛えるため」,「筋肉を強くするため」 とばかり思っていないか?
試合で結果を出すために練習をするということをはき違えてはいけない.
「全力」とは,「自分の全てを出す」ということだ.
いままで生きて来た年月を通して,なお最高の自分を出すこと.
まずは「全力」をだす練習が君たちには必要だ.
出せ! 全力を