高速疾走人種
92年.バルセロナ100mで優勝.リンフォード・クリスティ
96年,アトランタ100mで世界記録での優勝.ドノバン・ベイリー
(95年のイエテボリ世界陸上でも優勝)
いずれも,経歴こそ異なれどジャマイカ出身.
そして,今回.北京オリンピック.
100m,200mともに世界記録での優勝.ウサイン・ボルト.
先でも書いたように,もはや「種」の違いとしか考えられない.
同じように,人類不滅の記録と考えられていたMJの記録を突破.しかも向かい風.
しかし,100と違うのは,「おそらく本気で記録を狙いにいった」という点.
先の日記で,彼を蔑視するような表現をしてしまったかもしれない(MNBはそう思ってない)が,すべて撤回しなければならないかもしれない.
人類が築き上げた文化である世界記録に,全力で挑んだのだ.
人類の100mを制圧した彼をしても,記録を狙わせたMJに拍手を送りたい.
種の進化という観点からすると,人類は肌の色や眼球,毛髪など,容易に判別できる形態という点からしても様々な「人種」に分けられることができるが,こうした「走る能力」という点からしても,もはやジャマイカ人というのはある意味で「高速疾走人種」と判別できるのではないかと思う.
その人種の頂点にボルトがいて,おそらく彼は種族の長としてまだ成長を続けるのだろう.
それほど衝撃的なレースであった.
人類はその文化から人種を平等としているが,ことスポーツの世界にとっては,それが不平等になりかねない.
100年後のスポーツ界では,「人種」というカテゴリーが生まれるのではないかという妄想すら容易なレースであった.