夢と目標 増野元太のユニバーシアード
夢や目標をもつこと.
というと,少々暗く,後ろめたい気持ちになる人が多いという.
地球の自転は私たちの夢と関係なく生じ,様々な物理法則は私たちの目標を鑑みることはない.
つまり,夢や目標は「なくたって生きていける」のである.
目の前の仕事に忙殺されるようになり,社会を知り,現実を知るほど壮大な夢は目標を立てられなくなってしまう.そんな大人は大変に多い.
一方,恋愛などと同じように,夢や目標を立ててしまうと,それが叶わないと知ったときに大きな挫折感や絶望を味わうがために,敢えて設定しないという人もいるだろう.
いや,設定してはいるものの,人前では口にしない.という人のほうが多いだろうか.
けれども,敢えて言いたい.
我々は夢や目標を持つべきだ.
もちろん,他人に語る必要などない.内に秘めていればよろしい.
でも,時にはそれを標榜し,自分を奮い立たせる材料にするのも良いんじゃないか?
1年前の2014年6月.日本選手権110mHを制した増野は,大学でのインタビューで「ユニバーシアードの決勝に残ることが入学当初からの目標」だと話している.
https://www.youtube.com/watch?v=47EB2l83jrE
その1年後,彼は自らが設定した夢舞台で,目標以上の大いなるものを手にした.
https://www.youtube.com/watch?v=IodPvva6OsM
メダルを手にした増野は「本当に重いメダルです.色々なものが詰まっている」と感慨深く話してくれた.
そして,今度は競技人生としての目標である世界選手権&オリンピックのファイナリストへの旅が始まる.
目標には届きそうも無い?
夢なんか叶わない?
いいじゃないか.
そんな先の結果ばかり考えるなよ.
形のない夢があるから,漠然とした日々に意味を持たせられる.
到達できないような目標でなくてもいい.千里の道も一歩から始まるのならば,その一歩目を目標にしよう.積み上がった小さな目標は大きな目標に届かないかもしれないけど,その方向に夢があれば,少なくとも積み上げる意味はある.
そして人生にハリが出て,日々の生きがいとなる.
生きるということは時間を過ごすということ.
夢や目標は時間を過ごすための羅針盤のようなもの.
学生諸君は,ぜひとも自分だけの何かへむかって日々を過ごしてほしい.と思う.
君には君のステージが,夢が,目標があるんだ.