そう思っているうちは、まだ効果があるメニューです

大学4年生のころ、当時のコーチが立てる練習メニューに意見したことがあった。

冬期の間は、よく芝の公園をつかって走りこみをするのだが、それが3日に1度、まったく同じメニューが繰り返されるのだ。

ひたすら同じメニューを、なんどもなんども繰り返した。

当然、疑問に思い始める。


「これはコーチがメニューを考えるのがめんどくさくなったんじゃないか?」

「いくら良いメニューでも、毎回同じだとマンネリ化してくる」

「もう、このメニューでは強化できないのでは?」



思ったことをすべてコーチにぶつけた。




返答は一文だけだった。


「そう思っているうちは、まだ効果があるメニューです」






チームの最上級生として、ある意味決死の思いでぶつけた意見に対して、返答があったのはこの一文だけだった。

正直、わかったような、わからないような、あいまいな返答だと感じた。



冬が明けて、大学院1年時の春。


チーム全員が大幅な自己記録を更新するという結果が待っていた。




努力・忍耐・根性

自分が限界だと思った先に、本当の成果が待っている。


本で読んでも、マンガで見ても、他人から聞いてもそれはわからないものだ。

競技も、武道も、仕事もすべて同じ。


自分が「良し!」と思った時点で成長は終わる。

恐怖こそ成長の伴侶なのだ。