顔は男の履歴書

「顔は男の履歴書」という言葉がある.



先日,とある講習会で久しぶりに後輩と出会った.

デカスリートだったその後輩は,体育専門学群でもない一般入試で入学.

体育専門の私達からすると,明らかに「異質」な風貌で入部手続きを持ってきたことを思い出す.

頼りないほど優しそうな雰囲気,背は高いけどひょろっとした手足.

もちろん持ち記録なんぞ無い.110mHが専門だったけど,お世辞にも速いとは言えない記録.不器用でもあった.

当時のMNBが思うのも失礼だが「オイオイ.それで十種できんのかいな?」



案の定,なかなか芽は出なかった.

モチベーション,ガッツはあるけど,空回りする感じ.

それでも彼は自分を信じて頑張り続けた.

けれども,競技とは残酷なもので,関東インカレ出場という夢は叶わなかった.

というより,当時の仲間の多くは,彼が関東インカレ出場を目指していることすら知らなかったかもしれない.



それから数年.

日本選手権の舞台に彼はいた.

自分を信じて,努力を続け,そして日本最高峰の舞台にまで登ってきたことには誰もが驚いた.そして嬉しく感じた.



その後,彼は自身の見識を広めるべく,青年海外協力隊としていくつかの国で活躍していると聞いていた.

嬉しいことに,帰国時には連絡もくれた.



そこからさらに数年.

講習会で久しぶりにあった彼は「努力家の可愛い後輩」ではなく,大変にりりしい男の顔になっていた.

壇上からつい見とれてしまうほどの精悍さをそなえ,自信にあふれた雰囲気を醸し出していた.

同じく大学の先輩であり,MNBの兄貴分である人とともに「男の顔になったなぁ」と関心してしまった.

あ,いや上から目線とかではなく,そのあまりにもりりしい進化に驚嘆した結果だ.



男子三日会わざれば刮目せよ



さあ,後輩にまけないよう,我々も頑張ろう.